なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

直腸癌

2014年11月14日 | Weblog

 発熱が続いて内科医院から紹介された79歳女性はCTで直腸癌があった。もともと便秘気味だったが、夏ごろから便秘の程度が悪化して市販の下剤を飲んでいた。血便(便の表面に血液付着)もあるはずだが、気付いていなかった。

 当院の循環器科に高血圧症・虚血性心疾患・糖尿病で通院していた。夏ごろに血液検査でCRPの上昇があり、そのうち四肢に皮疹が出現して皮膚科を受診した。結局正確な病名としては付かなかったらしいが、皮疹は消失して炎症反応も陰性化した。2週間くらい前から37℃程度の発熱が続き、時には38℃になった。内科医院を受診して、抗菌薬の投与を受けていたが、軽快しないので不明熱として当院内科に紹介された。口内炎(アフタ数個散在)が1か月前から続いていた。

 今週初めに受診して、口内炎以外の症状がなくて原因はわからなかった。(内科医院でジェニナックが処方されていて培養もとれないし、比較的元気だったので(ご本人は入院したくないという)、数日経過をみた。胸腹部造影CT検査で半周性の直腸癌があった。左鼠径部リン御あ節腫脹があり、直腸癌としては?だった。肺転移・肝転移はなくて大動脈周囲リンパ節腫脹もなかった。

 CTで直腸癌とわかってから、直腸指診をして腫瘤を確認することになった。発熱の原因として、肛門周囲膿瘍や炎症性腸疾患もありうるので、当然直腸指診は最初にするべきだった。

 消化器科で来週上部・下部内視鏡検査の予定を入れてもらった。下部直腸で手術は人工肛門造設になる位置だ。発熱との関係が良くわからない。リンパ腫だったらありえそうだが、普通の直腸癌でいいと思われる。発熱はまた別の原因なのだろうか。数日経過をみて発熱は軽快してきたようだ。

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