なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

97歳の心肺停止

2014年11月21日 | Weblog

 昨日の午後は救急当番だった。救急隊から97歳女性の心肺停止ですと、受け入れ要請があった。10分くらいで搬入されたが、すでに身体は冷たかった。瞳孔散大していた。

 寝たきりではなく、自宅でなんとか歩いていたそうだ。息子さんの話では、1週間前からムセが目立ち、痰がからんでいたという。ゼリー食を食べさせている時に呼吸が止まったので、自分の食べさせ方が悪くて窒息したのではないかと気にしていた。そのまま心肺蘇生を継続したが反応はなく、息子さんに事情をお話して処置を中止した。脳血管障害も否定できないが、誤嚥性肺炎が疑われた。同意を得て、AIとして頭部CTと胸腹部CTを行った。脳萎縮のみで頭蓋内出血はなかった。両側肺野に広範な浸潤影があり、胸水も貯留している。浸潤影の分布はいかにも誤嚥性だった。昨日今日の話ではなく、数日か1週間かそれ以上前から誤嚥性肺炎をきたしていたと判断された。

 それにしても1週間前までは、見守りがあればほとんど普通に生活していたことになる。悪化してから死亡までの日数は1週間程度だ。見事な一生といえるのかもしれない。数か月前に92歳で死亡した女性と顔つきが似ていた。ひょっとしたら姉妹かとも思ったが、そこは確認しなかった。やせた高齢女性だと同じような顔つきになるのだろうか。

コメント
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