木曜日の夕方に47歳男性が嘔吐下痢で救急搬入された(救急当番は外科医)。38℃台の発熱があり、他のバイタルは正常。白血球数16000でCRPは0.1(翌日3.5)。腹部CTで上行結腸の壁肥厚があり、広範な小腸内消化液貯留を認めた。病原性大腸菌0157迅速試験陽性!。腸管出血性大腸菌感染症として、消化器科で入院(個室管理)となった。腎機能は正常で貧血・血小板減少はない。点滴とクラビット内服で治療が開始されて、翌日には解熱していた。確定診断は便培養待ちだ。
抗菌薬投与をどうするのかという問題があるが、病初期には投与したくなる。毒素の排出を早めるので投与しないというのであれば、2日後くらいに便培養で腸管出血性大腸菌と確定して、便毒素が検出されたら中止するいうのは駄目だろうか。小児科では先月も今月も腸管出血性大腸菌が検出されていた。今月はO111(ベロ毒素陰性)とO103(ベロ毒素陽性)だそうだ。
昨日の夕方に火曜日に入院した肺炎・胸膜炎の43歳男性(頸髄損傷)は大量のタール便が出た。Hbが8g/dlと低下していた。内科の若い先生が入院時から胸膜痛にロキソニンを処方していたそうだ。消化器科で緊急内視鏡を行うと、胃前庭部に浅い潰瘍が散在して、そのうちのひとつに露出血管を認めた(検査時は出血が止まっていた)。エタノール止血が行われて、週明けに内視鏡再検となった。輸血も緊急にオーダーした。やれやれ。