なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胆嚢炎、肺炎・気管支拡張症

2015年08月24日 | Weblog

 昨日の日曜日に救急外来を70歳代前半の女性が受診した。土曜日の夜間に心窩部痛で受診したが、受診時には治まっていた。発熱はなかった。当直医が診察したが、夜間に精査するようでもなかったため、帰宅として腹痛が出現した時に再受診と伝えた。日曜日に診察した時は、明日また受診するように言われたから来たということだった。心窩部に圧痛があるといえばあるかというくらいだった。

 腹部エコーで胆嚢内に結石とdebrisを認めたので、血液検査をした。トランスアミナーゼと胆道系酵素が上昇していたが、白血球数・CRPは正常だった。腹部造影CTを行うと、胆嚢壁が肥厚して、肝床部に炎症像が目立った。胆嚢管が長く総胆管下部で合流していた。総胆管結石ははっきりしない。放射線の当番がMRI担当の技師さんだったので、MRCPをお願いした。やはり総胆管結石ははっきりしなかった。発熱はないし、炎症反応が上昇していないので、月曜日に再受診とした。総胆管結石があれば、内視鏡治療ができる病院へ紹介になる。

 今日、消化器科医に画像を見せたが、総胆管結石ははっきりしないと言う。放射線科の読影レポートが早くも出ていて、画像上総胆管結石はなしだった。症状を訊くと、時々チリチリ?しますという。発熱はない。検査で肝機能障害は前日より軽減していた。超音波の所見は胆嚢壁肥厚・結石・debrisありで胆嚢炎そのものだ。炎症反応はやはり陰性だった。外科に相談すると、「慢性胆嚢炎なのか、癌ではないだろうな」。早急に手術をした方がよいということで、外科入院となった(今週中に手術する予定)。

 午後は他の病院との感染管理の合同カンファランスの予定があった。その直前に地域医療連携室から連絡があり、内科クリニックから60歳代後半の男性を紹介したという。熱中症でということだったが、今日は涼しい。後でわかったが、暑いころから体調が悪かったと患者さんが言っていた。在宅酸素療法中(3L/分)で、COPDとあった。救急隊が酸素なしで搬送を開始すると当然ながら酸素飽和度が80%台だった。連絡が来たが、ふだんの酸素3L/分を再開すると97%だった。在宅酸素の患者さんと把握できなかったのだろうか。

 体温37,3℃で咳・黄色痰があった。COPDの肺炎による急性増悪と思われたが、胸部CTを確認すると気管支拡張症だった。肺炎の浸潤影もある。喀痰培養を提出して、入院とした。一人暮らしの方で身寄りがないそうだ。

コメント (1)
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