なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ネフローゼ

2015年08月28日 | Weblog

 病棟にいると、外来の腎臓内科医(応援医師)からネフローゼの患者さん(80歳代前半の女性)の入院治療を依頼したいと連絡が来た。といっても、外来で診ているのはその先生ではなくて、他の曜日の腎臓内科外来担当医(応援医師)だった。両下肢の浮腫がひどく、水が染み出ている。胸部X線で両側胸水がある。

 糖尿病があるが、現在は経口血糖降下薬でHbA1cが6.1%と良好だった。Hb5g/dl台でここ数か月同じ値のようだ。血清クレアチニンは1.8mg/dlでそれほどではない。血清アルブミン1.8g/dl。高血圧症もあり複数の降圧薬を内服している。高血圧症による腎硬化症、糖尿病腎症、糸球体疾患などがどう関与しているのだろうか。腎生検での精査を考慮されたことはあるそうだが、行われていなかった。

 胸腹部CTを追加でオーダーした。CTでみると、両側胸水の程度がよくわかる。右中葉に肺炎の浸潤影もあった。腹水はない。ふだんはない尿路感染もあった。

 外来処方はラシックス200mg/日とサムスカ7.5mg/日が出ている。追加するものがない。肘静脈からよく採血したものだが、末梢血管からの点滴は無理だ。幸い食事はとれて、内服薬はちゃんと飲める。こうなると透析しかないのだろうが、事実上透析に通院できる状態にはない。入院中だけでも行うことは不可能ではないが、家族は希望しなかった。どうしようか。

コメント
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