昨日入院した、たぶん脱水症から腎不全を呈した82歳男性は、点滴を継続していたが、昨日1日で100mlちょっとしか排尿がなかった。点滴の量は紹介したクリニックで1000ml、当院に来てからが2500moだった。浮腫はないので、足りない分が補われたところなのだろう。
今日は朝から午後2時の段階で400mlの排尿があった。血清クレアチニンも昨日の11から8になった。患者さんの受け答えも昨日よりはっきりしていた。食事をしたいいう意欲も出て、昼から出すことにした。摂取量は少ないが、食べられた。何とかなりそうだ。
医局にいると、今日当番の内科の若い先生から胸部X線を診てほしいと連絡が来た。内科クリニックから内科日直の先生宛てに、肺炎ということで82歳女性の紹介状が来て、救急車でも搬送だった。日直は大学病院からの応援医師で、当番の若い先生(レスピレータ管理の患者さんを診に病院に来ていた)が呼ばれるという経緯だった。
胸部X線・CTを見ると、一見して普通の肺炎ではないと思われた。左肺に胸水が貯留しているが、両側肺に気管支拡張と小空洞様の病変、斑状影の散布(tree-in-bud?)を認めた。まずは肺結核を考える。喀痰が自力で出せないので、吸引してみたが、やはりとれない。胃液を引いてみようとNGチューブを挿入したが、ほとんど引けなかった。その時痰がからんで「出してください」と看護師さんが声をかけると飲み込んでしまった。NGチューブを引いてその痰を吸引して提出することにした(これは喀痰培養?)。抗酸菌の塗抹には支障ないだろう。休日なので、今日の検査室の当番は生理検査担当の人で、鏡検できる細菌検査室の人は明日の当番だった。
酸素3L/分投与で酸素飽和度が95%ある。血圧も特に問題なかった。通常の抗菌薬(ニューキノロンは入れない)で週明けまで経過をみて、さらに精査することになる。外来応援に来てもらっている呼吸器科医にも相談したい。陰圧にできる病室に入院した。