先々週に脱水症で内科外科クリニックから脱水症として紹介された82歳男性は、受診時著明な腎機能障害を認めた。BUN126・血清クレアチニン11.58だった。血清カリウムは5.8と軽度に上昇していた。連絡があった時の予想としたは、血清クレアチニンが2くらいかと思っていたので、かなり驚いた。Hbが17.3で血液濃縮だった。
この方は一人暮らしで、普段は週に2~3回パチンコ店で清掃の仕事をしているという。店内ではなくて店周囲の掃除だった。暑い日が続いていたので、熱中症になりやすい状況ではあった。4~5日前から食欲不振で、水分もあまりとらなかったようだ。会話はできるが、ぼんやりとした印象があった(傾眠というほどではない)。
一番心配したのは、急速進行性糸球体腎炎だった。外来を受診してすぐから点滴を開始して、血液検査の結果をみて点滴速度を速めた。前々日はその紹介したクリニックが休診日で月の内科クリニックで点滴1本を受けて、当日はかかりつけのクリニックで点滴2本をしてきていた。結局津gの日まで当院だけで2500mlの点滴をしたが、尿量は100ml程度だったが、血清クレアチニンが8.71と下がっていた。
次の日の夕方には尿が出始めた。3日目で血清クレアチニン4.52、さらに5日目2.04と下がって、12日めで0.94となった。尿検査自体は異常なし。結局、脱水症による急性腎前性腎不全ということになった。
一人暮らしなので、少し静養してから退院したいというので来週まで入院継続の予定だ。夏の暑さもおさまりつつあるので、もう大丈夫だろう。紹介先に経過を報告するが、相当驚くと思う。