なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺癌・癌性胸膜炎

2015年08月27日 | Weblog

 昨日仕事が終わって医局に残っていると、当直医から連絡が来た。先月から今月初めにかけて内科に入院していた肺癌・癌性胸膜炎の患者(60歳代後半の男性)さんだった。内科の若い先生(現在夏休み中)が担当していたので、詳しくは把握していなかった。

 当院の腎臓内科(大学病院から応援)にネフローゼ症候群で通院していた。膜性腎症で免疫抑制薬とステロイド薬が処方されていた。昨年秋に肺癌疑いで県立がんセンター呼吸器科に紹介になった。生検で扁平上皮癌と診断された。腎臓病の既往(免疫不全状態)があり、肺自体に肺気腫があり、抗癌薬治療は無理と判断され、放射線治療のみが行われた。その後、緩和ケアのみとなり、当院に継続治療が依頼された。

 先月に入院した時に患者さんの希望で化学療法を行っているが、すぐに中止されていた。癌性胸膜炎に対して、胸腔ドレーン挿入をして胸膜癒着術が行われた(胸膜癒着術を行うという話は聞いていた)。今回、胸水貯留が著明で、健側肺を圧迫している。再度胸腔ドレーン導入だが、胸膜播種しているのか、胸膜が不整に厚く、腫瘍を貫いて胸腔内に穿刺する可能性が高い。患者さん本人が、胸腔ドレーンは苦しかったのでで、もうされないという。

 昨夜はとりあえず胸腔穿刺をしないて経過をみることにした。医療用麻薬を開始したので胸痛は軽快していた。ある程度食事もとれる。ステロイドを入れてみているが、どれほど効果があるかはまだわからない。ここまで胸水がたまると穿刺しないではすまないと思うが、結局今日もそのまま経過をみた。

 今日は施設に入所中の100歳代の女性が内科医院の紹介で入院した。心不全で6回くらい入院している、その時々の受診事情で、循環器科で診たり、内科で診たりしていた。循環器科では、老衰なのであとは内科に相談するよう内科医院に報告していたので、今日は直接内科で紹介の電話が来た。治る保障はできませんと家族に伝えたが、お任せしますという。病院で最期を迎えるという形であればいいようだ。何とか微妙な処方の調整で改善させてみたい。

コメント (1)
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