なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心不全and/or肺炎

2015年08月19日 | Weblog

 日曜日に発熱と咳で救急外来を受信した72歳男性は、聴診で右肺にcoarse cracklesを認めた。胸部X線で右肺に浸潤影が疑われて、胸部CTで確認した。両側肺(右優位)に汎小葉性にすりガラス様陰影が認められた。肺炎の浸潤影ではなかった。心房細動・高血圧症で循環器科に通院していて、普段と比べると胸水が軽度に貯留していた。BNPも50前後から147と上昇していた。浮腫はない。室内気で酸素飽和度は95~96%だった。しんぼう細動だが、心拍数としては正常域にあった。虚血性変化もない。白血球数9900、CRP6と上昇していた。

 てっきり肺炎でいいと思っていたので、画像が合わなくてちょっと迷ったが、その時は肺炎として抗菌薬で治療を開始した。セフトリアキソンを点滴したが、入院したくないと言われて、クラビット内服で外来治療とした。

 翌日受診して、入院しますということになり、内科に入院した。入院後泡沫状の血痰が出始めた。ここでやっと心不全の症状と判断して、利尿薬(ダイアート30mg)を追加した。同じ痰が昨日まで続いたが、今日は血痰はなく、透明な痰が出ていた。気道感染で心房細動・心不全が悪化したということになるのだろうか。放射線科の読影レポートは「肺水腫・肺炎の合併は否定できず」だった。、その通りでございます。正しくは、救急外来を受診した時に、心房細動・心不全の悪化として循環器科にコンサルトして、心不全の治療を開始(抗菌薬併用)することだった。

 今日の検査では胸水・肺水腫の所見が少し軽減して、炎症反応も改善(白血球数正常化・CRP値低下)していた。利用薬投与も経口薬で大分緩い治療だが、幸い効いたようだ。悪い治療の見本のようになってしまった。

 

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