なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ビタミンB12欠乏性貧血も

2017年06月02日 | Weblog

 一昨日自宅の外で倒れていた60歳代後半の男性。CK9000と上昇していたが(AST,LDHも上昇)、今日は1500まで改善していた。白血球増加・CRP上昇も軽減していた。たぶん無駄な提出だった抗核抗体・抗ARS抗体は陰性。筋肉の物理的な挫滅によるものと思われる。それについてはこのまま経過をみていいようだ。腎前性に悪化していた腎障害も改善してきたが、週明けまで補液を続けておくことにした。

 救急搬入時に、大球性貧血(Hb11g/dl・MCV124)のと血小板減少(6.5万)もあった。鉄欠乏はなかったが、外注検査に提出していた血清ビタミンB12が低下していた。血清葉酸値は正常域。胃切除術後ではないので悪性貧血に相当するはずだ。

 今日からビタミンB12製剤の静注(点滴が終わったら筋注へ)を開始した。この方は昨年末に側溝に嵌った動けなくなって救急搬入されている。外科で入院した時の検査結果はHb12g/dl・血小板数14万で、今の結果から判断すれば血球減少が始まりかけていたことになる。

 もともと精神遅滞があって、外傷性くも膜下出血術後という既往があるが、最近転倒しやすくやっていたのはビタミンB12欠乏も影響していた可能性がある(亜急性脊髄連合変性症)。

 骨髄穿刺はしないことにした。抗壁細胞抗体と抗内因子抗体はいずれも保険適応外なので、値段の安い抗壁細胞抗体(4000円)だけ提出した(抗内因子抗体は2万円)。胃内視鏡検査は血球減少が改善してから行いたいが、ちゃんと受けてくれるかどうかはわからない(しないかも)。

 

 

コメント (1)
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