受け持ち入院患者数が多くて、充分な検討ができないでいる。週2回は病状を検討して、3日分の指示を出すというやり方でなんとかやっている。回復期リハビリ病棟の脳梗塞の患者さん(80歳代前半の女性)と、地域包括ケア病棟の心不全の患者さん(90歳代前半の女性)の退院が決まった。どちらも内科クリニックに通院しているので、診療情報提供書を書いた。退院が決まって、退院サマリーや他院宛ての報告書を掻くのは楽しい作業だ。
糖尿病で通院している70歳代半ばの女性が発熱で受診した。ちょっと前に転倒打撲(肩と腰)で救急搬入されていた。骨折はなかった。血液検査で炎症反応上昇があったが、その時は発熱がなく、胸部X線で肺炎なしを判断されて帰宅になっていた。整形外科疾患(腰部脊柱管狭窄症など)でADLが低下して要介護の方だが、明らかな誤嚥はない方だ。
咳・痰の症状がなく、胸部X線で肺炎像を認めなかったので、尿路感染症(腎盂腎炎)を疑ったが、尿混濁はなかった。炎症反応は白血球数14000・CRP17と前回より上昇していた。胸腹部CTで確認すると、右肺の下背側に斑状影が広がっている。急性肺炎だった。右横隔膜が拳上していて、右肺の下背側は少なくとも正面ではわかりにくい人ではある。側面をとればわらるかもしれないが。
高齢者が発熱で受診した時は肺炎を疑って、胸部X線検査を行う。血液検査で延焼反応が上昇している時は、胸部CTを行うと、斑状影の散在が認められて、あっさり肺炎の診断がついたりする。
好ましくはなのだろうが、あれこれ考えるより、まず胸腹部CTをとってみると、Dr.CTがみごとに診断してくれる。病院にはもう一人優秀なDr.MRIもいて、とても優秀だ。若い先生には、困ったらまずとってみることを(大きな声では言えないので)密かに勧めている。