消化器科医が、糖尿病外来に通院している患者さん(40歳代半ば)の腹部CTの結果を見せてくれた。下痢が続くということで消化器科に紹介されたそうだ(その後腹痛も出現)。腹部エコーで肝臓内に多発性腫瘤があり、大動脈周囲リンパ節腫脹もあった。腹部造影CTで確認すると、多発性の肝臓内腫瘤と大動脈周囲リンパ節腫脹があり、脾臓にも2か所に腫瘤があった。
胃と大腸に明らかな腫瘤は指摘できず(後からその目で見ると胃にある)、脾臓に腫瘤があることから、悪性リンパ腫を考えているという。生検できる表在リンパ節はなく、もし消化管に腫瘍がなければ、腹腔内リンパ節を外科的に生検してもらうしかない。そこから専門病院に紹介しようという話になった。癌よりはリンパ腫の方が治療効果が期待できるという思いの入った(バイアスではある)話になっていた。
胃内視鏡検査で胃噴門部に2型の腫瘍があった。腫瘍周堤が悪性リンパ腫の特徴である耳介様にも見えた。癌よりは柔らかい腫瘍のようだといっていたが、生検の結果は胃癌だった。
当初からの予定ではあるが、できるだけの治療を受けてほしいので、専門病院に紹介することになった。抗癌剤の治療効果を期待するしかない。