なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高カリウム血症

2017年06月21日 | Weblog

 90歳前半の男性が、昨夜高カリウム血症による不整脈(完全房室ブロック)で救急搬入された。

 もともと高血圧症・慢性腎不全で通院していた。血清クレアチニンは2.8~3.0mg/dlで、血清カリウムは5~6mEq/Lで推移している。昨夜は血清カリウム7.7mEq/Lに上昇していた。

 当直医(外科医)がGI療法(10%グルコース500ml+ヒューマリンR10単位)を行って、昨夜のうちに血清カリウム7.2mEq/Lに下がって正常洞調律に戻っていた。今日は血清カリウム6.2mEq/L。ご本人は難聴があって筆談を要するが、元気いっぱいだった。

 脱水症だったようでもなく、高カリウム血症の増悪した原因はよくわからない。いつも付いてくるケアマネの話では、亡くなった養子の奥さんが別棟に住んでいたが、食事を運ぶだけになっているという。かなり頑固で、人の言うことを聞かないそうだ。福祉サービスとしてはヘルパーさんが週2回入るだけで、デイサービスは嫌がって行かない。

 この方は8年前に、尋常性乾癬で通院していた皮膚科から血小板減少症で内科に紹介された。それまで正常域だった血小板数が6万と低下して、2週間後に再検で9000まで下がった。入院して、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)疑いとして、免疫グロブリン大量投与とステロイドパルス療法を行い、血小板数は正常化した。その後プレドニンを継続していて、現在は5mg/日を内服している。

 その数か月後に内服薬を中断して、全身倦怠感・退堂困難で入院した。副腎不全としてステロイド点滴静注をしてすぐに回復した。どちらの入院時も、ちょっと良くなるともう退院すると言って5日で帰っている。家族は少し病院に置いてほしいという希望だったが、前回のことがあるので、今回もすぐに退院すると言い出すのだろうと言っていた。実際、朝から帰ると言い出していた。 

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