なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナウイルス感染症の肺炎像

2020年11月17日 | Weblog

 先週の金曜日(11月13日)に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の54歳女性が感染病棟に入院した。

 11月5日に咳があり、6日に39℃の高熱が出て、近くのクリニックを受診した。感冒薬を処方されたが、9日に発熱の継続・倦怠感で同クリニックを再受診している。11日にPCR検査が行われて、12日に陽性と判明した。同日県から当院に入院依頼が来て、13日に入院したという経緯だった。

 入院時に咳が出ているが、呼吸困難感はないという。胸部CTを撮影してから入院としていたが、放射線科の技師さんから、両側肺炎があります、と連絡がきた。

 感染管理ナースに連絡して、酸素飽和度を測定するように伝えたが、ちょうど病院裏の入り口から感染病棟に向かう途中だった。病室に入ってからでもいいですか、と言われた。

 酸素飽和度(SpO2)は95%(室内気)で、まずは安心した。当院のCOVID-19入院1例目は、軽症のはずが入院した時に酸素5L/分以上を要した。胸部CTで両側肺野にすりガラス陰影が広がっていて、すぐに大学病院に搬送した。

 胸部CTを確認すると、淡いすりガラス様陰影と斑状影が両側肺に散在していた。血液検査では、白血球4300・CRP1.6と炎症反応は軽度だった。若干のリンパ球減少とLDH上昇があった。

 発症9日目に当たり、新型コロナの経過としては軽症で治まらずに、重症化に向かう時点に当たる。酸素吸入を要さないので中等症Ⅰに当たる(ふだんよりは飽和度低下)。基礎疾患はない。

 デキサメサゾン(とセフトリアキソン)を投与して経過をみることにした。週末どうなるかと思っていたが、病棟から連絡はなかった。今週は解熱していて、酸素飽和度が98%(室内気)なので、軽快しているようだ。

 デキサメサゾンの止め時の問題もあり、明日胸部CTを再検することにした。

 

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