なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

多発性嚢胞腎

2020年11月23日 | Weblog

 土曜日に内科系の日直だった。日中に4日前に退院した90歳代女性が39℃の発熱で受診した。肺炎はなく、尿路感染症とも断定しがたかった。患者さんの訴えは両手~前腕の痛みだった。

 手関節の偽痛風が疑われたが、認知症で触診するたびに痛いかどうかが変わってしまう。両膝関節は変形性関節症の変化で、石灰化は少しありそうだが、はっきりしない。

 尿培養・血液培養を提出して、セフトリアキソン1gの点滴静注とNSAIDs(セレコックス内服)の併用で経過をみることにした。

 

 そのままいつものように病院に泊まって待機していたが、夜間の入院はなかった(当直はバイトの若い大学病院外科医)。金曜日に病室で転倒した新型コロナの87歳女性を診に、感染病棟に行ったりしていた。

 午前8時過ぎに当院で血液透析を受けている56歳男性が、けいれん発作で救急搬入されていた。当直医が診て、日曜日の内科系日直だった内科の若い先生に引き継いていた。

 ジアゼパム静注で治まらず、地域の基幹病院に搬送していた。そちらでイーケプラ点滴静注をして治まったので、入院は当院でと搬送されることになったと相談された(搬送前に相談してもらってよかったが)。

 そのままイーケプラ内服を継続することにした。添付文書によると、透析患者さんでは500㎎1日1錠で、透析日には透析終了後に250㎎追加となっていた。

 脳梗塞の既往(右後頭葉と左基底核)があるが、今日の画像では新規の脳梗塞はなかった。症候性てんかんと診断されていた。

 

 この患者さんは多発性嚢胞腎による腎不全で血液透析になった。ただし11年前に腎臓の出血・感染で両方の腎臓は摘出されている。その代わり?、多発性肝嚢胞があり、腫大した肝臓がCTで描出されている。通常の肝嚢胞が散在している像とは全く違う、まさに無数の多発だ。家族歴に母親も多発性嚢胞腎とある。

 

 日曜日も日中病院にいて、製薬メーカーに依頼された糖尿病の話をするためのスライド作成をしていた。今回は能登洋先生の本を興味深く読んでいた。統計に詳しい先生で製薬メーカーの大規模臨床試験を辛口に批評している。

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