なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

居酒屋でコロナ

2020年11月15日 | Weblog

 水曜日に新型コロナウイルス感染症の61歳男性が感染病棟に入院した。37℃台の発熱と咽頭痛があり、咳はなかった。感染経路は不明ということだった。

 この患者さんは母親と二人暮らしで、PCRが陽性と出た日に、濃厚接触者として母親のPCR検査を行った。特に症状はなかった。結果は陰性。

 PCR検査の翌々日に咳が出始めた。濃厚接触者として保健所の経過観察に入っていたので、2日後にまた保健所で連れて来て、再度のPCR検査を行った。結果は陽性。金曜日に当院に入院した。

 

 先週、県庁所在地にある有料老人ホームの高齢者3名が感染病棟に入院していた。その施設でも全員が濃厚接触者としてPCR検査を受けた。

 PCR陰性で2週間の経過観察となった方たちが、その後症状が出て、再度PCR検査を受けて陽性者が複数出ていた。

 

 PCR陽性者が出ると、その濃厚接触者のPCR検査が行われるが、翌日などの早期に行ってしまうと罹患していても潜伏期にあたって陰性になってしまう。新型コロナは発症2~3日前からウイルスが検出されるが、潜伏期の平均が4日なので、あまり早くに検査すれば当然陰性になる。保健所としてはすぐに濃厚接触者のPCR検査をやりたいのだろうが、時期を考慮しないと、無駄な検査が増えてしまう結果になるのだった。

 

 入院している61歳男性は居酒屋に行っていて、そこにいた54歳女性もPCR検査陽性となった(37℃台の発熱がある)。この方も金曜日に当院に入院したので、関係者3名が集まったことになる。

 居酒屋でマスクなしで飲食すると、その中に新型コロナの罹患者がいれば当然うつるわけで、何の不思議もないのだった。先月製薬メーカーのプレゼンテーション評価で県庁所在地にある支社に呼ばれた時に、駅前の飲食店の前を通った。小さなテーブルをはさんで複数のサラリーマンが酒を飲みながら大声で会話していた。

 

 水曜日に、いっしょにゴルフをした人が新型コロナになったという3名の男性がPCR検査に来た。住所は県庁所在地で、当院まで高速道路で25分はかかる。わざわざ来るくらい、そちらではPCR検査がひっ迫しているのだろうか。

 車で来てドライブスルー方式で検査をした。車種はポルシェ・レクサス・BMWで、「お金持ちだねえ」と感染管理ナース(ICN)と話をした。(会社経営者たちらしいが、結果は全員陰性だった。)

 

コメント
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