火曜日に、茨城県の病院からの紹介状を持った37歳女性が内科新患を受診した。担当した内科の若い先生から相談された。
11月初めに筋力低下・四肢の筋痛を訴えて、整形外科を受診した。血清カリウム1.9・CK9831と高度の低カリウム血症・筋原性酵素の上昇を認めて、紹介先の病院の内科に回された。
受診時には、血清カリウム1.5・CK23745とさらに悪化していた。5年前に腎盂腎炎で入院した既往があり、「尿をいっぱい出すように」と言われていた(患者さんに解釈)。腎盂腎炎で言われたとすると、「水分を多く取った方がよい」だと思うが、「尿量を増やす必要がある」と思ったようだ。
その後、利尿薬のフロセミドを20~60mg/日常用していたとある。病院でそんな処方を続けるだろうかと思ったが、自分で通信販売で購入して内服していたのだった。さらに3~4か月前から、防風通聖散も自分で内服していた。
治療として、外来で3号輸液にアスパラギン酸カリウムを混合した点滴をして、アスパラカリウム錠300mg9錠分3を処方していた。当然、利尿薬は中止するようにと指示された。
当院を受診したのは、茨城県から当地域に転居したからだった。(夫も子供もいる方で、家庭の事情までは訊いていない)当院の検査では、血清カリウム2.9・CK4212と前医よりは軽快している。心電図はまったく正常だった。カリウム製剤を継続して1週間後に再受診・再検査とした。
医療用のフロセミドは、通信販売で普通に入手できるのだった。血清カリウム1.5だと、不整脈から致死的になる可能性もあり、こわい話だ。本当に危ないところだったと、若い先生が説明した(どのくらい理解してくれるのだろうか)。