なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

36歳の非代償性アルコール性肝硬変

2020年11月06日 | Weblog

 木曜日に地域の基幹病院消化器内科から36歳男性が転院してきた。非代償性のアルコール性肝硬変で、全身浮腫と胸水・腹水貯留があった。傷もなさそうな皮膚から浸出液(漏出液?)が染み出ていた。

 9月下旬には地元の医院から、発熱・黄疸・呼吸苦で紹介されたそうだ。基幹病院の肝臓専門医が診ていたが、4年前に通院を中断している。

 アルコール依存症でその専門病院に5回くらい入退院を繰り返していが、禁酒はできなかった。専門病院に通院するのも大変なので、うつ病として精神科クリニックに紹介されて通院していた。

 利尿薬(トルバプタンを含む)やアルブミン投与などで治療していて、入院時よりは浮腫は減少したらしい。当院に介護タクシーで転院してきたが、男性2名が付いて来ていた(通常は1名)。看護師さん5名でベットに移動させたが、とにかく身体が大きい。

 送られてきた画像を見ると、肝臓表面の凹凸と萎縮があり、肝硬変になっている。

 

 転院依頼の連絡をしてきた先方の若い先生は、当方があっさりと転院を引き受けると、電話越しでもわかるくらい喜んでいた(えっ、ほんとにいいんですか~」という感じ)。診療情報提供書には、「大変な症例で大変恐縮ではありますが・・・」とあった。

 ゆっくりと身体中にたまった水分を抜いて、リハビリで歩けるようになる日はくるのだろうか。

 

 

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