先週、地域の基幹病院脳神経内科から転院の依頼が3件来ていた。コロナの対応で忙しいので、内科の別の先生や若い先生にそれぞれお願いした。(当方は、消化器内科からの訳ありのアルコール性肝硬変の転院を引き受けることにした)
今日転院してきたのは、脳出血(左視床出血)・脳室穿破の73歳男性だった。担当は、内科の別の先生にお願いしていた。
20日前に救急搬入された時点でも視床出血が脳室穿破しているが、アルコール性肝障害による血小板減少の影響か(と記載されているが3万程度)出血が拡大した。(添付されてきた頭部CTは、入院時と入院後の増悪)
意識もJCS1桁から3桁に陥った。発症2週間目の段階で意識の回復はなく、家族と相談して末梢の点滴でそのまま経過をみる方針になったという。その時点で当院に転院依頼が来たという経緯だった。
先方の病院では先生と妻だけの話し合いで方針が決定されたが、今日は他県から娘さんも来院していた。娘さんは聴覚言語療法士だった。
当院でも改めて治療方針を相談して、先方の病院と同様の末梢点滴で経過をみることになったそうだ。もし行うとすれば、高カロリー輸液にするか胃瘻造設だが、後者は何かトラブルが起きそうだ。
入院後に悪化した時に頭部CTではくも膜下腔にも出血がある。ここまでひどいと回復はさすがにないか。
(後日記)
患者さんは翌日には亡くなったので、転院した意味がないような結果になった。