なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

食道気管支瘻

2020年11月18日 | Weblog

 8月から9月まで誤嚥性肺炎で入院していた71歳男性は、食道気管支瘻があった。

 8月初めに内科クリニックから肺炎で紹介されて、内科の別の先生が担当していた。入院時の胸腹部CTで食道が拡張して食残が貯留していた。肺炎の治療をして軽快したが、食事摂取が難しかった。

 9月初めに上部消化管内視鏡検査を受けた。食道憩室を指摘されたが(前庭部に早期胃癌Ⅱaもあった)、それ以上のことはわからなかった。内視鏡検査後に消化器科医がCTを再検した。

 食道内に食残がないので、単純CTでも食道と気管支の関係がよくわかった。食道憩室と左気管支に瘻孔が形成されていた。

 

 食事摂取させられないので、高カロリー輸液を行って、治療を大学病院の外科に依頼して転院となった。大学病院では呼吸器外科も一緒に診療にあたり、まずは気管支にステントを挿入した。胃瘻造設を行って、経管栄養にしていた。

 入院中に右肺癌も診断されて、いったん大学病院を退院になった。肺癌の検索(転移巣)は外来で行う予定だった。また食道に関してもいずれ外科的な処置ができるか検討することになっていた。

 それが、自宅退院2日後に心肺停止となり、当院に救急搬入された。残念ながら蘇生術に反応せず、死亡確認に至った。当院では2か月診ていないので検死を依頼して、その後解剖になった。

 

 

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