なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃癌と大腸癌

2020年11月19日 | Weblog

 昨日医局のコンピュータのある部屋(3台横に並んでいる)で、隣にいた消化器科医が画像を見て悩んでいた。

 内科クリニックから、66歳男性が貧血精査で紹介された。Hb10,3g/dl・MCV75.0と小球性貧血だった。上部消化管内視鏡検査で胃体上部に浅い潰瘍形成(Ⅱc)を認めたが、周囲の粘膜はやや盛り上がりがあり、いわゆるⅡc like advanced(進行胃癌)が疑われた。

 胸腹部造影CTも行っていて、上行結腸の不整壁肥厚があり、大腸癌も指摘された。さらに肝内の2か所に転移を疑う腫瘤もあった。それぞれが確かならば、1日で胃癌・大腸癌、そして肝転移と診断されたことになる。

 胃癌だけならば定期手術しかできない当院外科でも対応できるが、こうなると難しい。地域の基幹病院、あるいはがんセンターの紹介することになる。

 大腸癌かどうかは、大腸内視鏡検査を行っての診断になるが、胃癌については患者さんに伝えていた。大変なことになったという実感がないように見えたそうだ。思いがけないことを言われて、固まってしまったのかもしれない。

 

 比較的新型コロナウイルス感染症が少なかった当地域でも、しだいに患者数が増えてきた。施設入所の高齢者、施設のデイサービスに通所している高齢者、施設職員、高校生と次々にPCR陽性となっている。

 地域の基幹病院職員も、PCR陽性と判明した同居家族の濃厚接触者として検査にまわってきたが、幸いに陰性だった(2週間の自宅待機にはなる)。

 今日初めて、新型コロナウイルス感染症の入院患者が午前中に退院して、午後その病室に別の患者さんが入院する。これまでは退院すると、病室の消毒清掃をして翌日に別の患者さんが入院していた。

 

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