金曜日に保健所の依頼でCOVID-19罹患者の外来アセスメントがあった。患者さんは90歳女性で、認知症があり在宅の方だった。アセスメントで問題なければ、感染対応の施設に入所予定だった。
家族がCOVID-19 に罹患して濃厚接触者となっていた。2日前に37.2℃の微熱と咳・痰があった。アセスメントに来た日は解熱して、食事摂取も良好だった。「何でもない」と言っていた。酸素飽和度は99%(室内気)と良好だった。
胸部CTで見ると、両側肺野に気管支拡張症を認めた。右中葉は帯状の陰影があり、左肺下葉には気管支に沿って円形の小結節状の陰影が散在していた。
何らかの感染症だが、気管支拡張症だと非結核性抗酸菌症?。呼吸器外来に来ていた先生に相談した。結核、非結核性抗酸菌症、ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)などが考えられるという。なるほど。精査は無理ですよね、ともいわれた。
とりあえず、コロナの肺炎像はなく、早急に治療する細菌性肺炎ではないと判断した。現時点では、予定通り施設療養でよい返答することにした。
保健所の用紙には肺炎の有無と程度しか記載できない。そして肺炎も、範囲が1/2未満と1/2以上の2種類しかない。1/2以上だったら人工呼吸管理になってしまう。
保健所長は臨床経験のない方だそうで、職員の方から「肺炎の記載があると騒ぐんです」という話があった。コメント欄はないのだが、余白に所見と解釈を入れて、対応についても丁寧に記載することにしている。