先週木曜日の夕方に、腎臓内科の若い先生が地域の基幹病院(救急科)に患者搬送を依頼していた。80歳女性で、入所している施設から透析に通院している。問題山積の患者さんで申し訳ありません、と言っていたが、引き受けてもらえたようだった。
32年の透析歴があり、原疾患は結節性多発動脈炎だった。現在はプレドニン2.5mg/日で安定している。
その日の午前中に腹痛を訴えて受診していたが、腹部は平坦・軟で圧痛もなく、帰宅となっていた。施設に戻って、発熱と酸素飽和度の低下があり、夕方の再受診となった。
腹部CTで肛門右側に連続する陰影があり、肛門周囲膿瘍が疑われる。そこから脂肪組織内にエアがあり、ガス産生菌なのかもしれない。最悪の場合はフルニエ壊疽だが、そこまではいっていないか。
治療は切開排膿・抗菌薬投与だと思うが、血圧も普段より低下しているらしく、全身管理になるのだろう。外科常勤医もいないので、お願いするしかない。