なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養を出しましょう

2022年09月18日 | Weblog

 腎臓内科の若い先生が、地域の基幹病院からリハビリ目的で転院していた74歳男性を担当していた。家族にリハビリの様子をみてもらって退院を予定していた。

 先月の入院後から発熱があり、レボフロキサシン内服を使用して解熱軽快していた。その後再度発熱があり、その時の尿培養からEnterococcus faeciumが検出されたので、バンコマイシン点滴静注を開始していた。

 その後も発熱が続き、レボフロキサシンで解熱したことから、また内服で併用を開始したところだった。AST(抗菌薬適正使用チーム)の薬剤師から発熱が続いている患者さんがいて、と報告されたばかりだった。(バンコマイシンを使用すると薬局でTDMを行う)

 ASTとしての活動機会があまりないので、貴重な患者さんになる。関節リウマチがあるが、活動性は低いようだ。リウマチ肺(間質性肺炎)があるが、呼吸器症状はない。慢性腎臓病もある。

 熱源検索として胸腹部CTを行っていた。間質性肺炎は特に変わりないようだ(転院時に画像添付はなかったので比較できない)。右胸水が軽度にあり、肺炎・胸膜炎の可能性はある。尿所見は改善していた。

 カテーテルの挿入はなく、発熱が続いている割には食事摂取は多くはないがしていた。尿カテーテル留置もない。

 

 培養検査を出しませんかと勧めるつもりだったが、病棟でこんな患者さんがいてと言われた。胸部CTで認める右胸水くらいしか発熱原はなさそうですが、血液培養を出しましょうと伝えた。

 その後に、先方の病院に入院中に何本か歯が抜けてしまい、食べる時にしみるという話が出た。口腔内の菌かもしれないとなって、血液培養・心エコーがオーダーされた。(心エコーは経胸壁だが疣贅はなし)

 胸部X線で右下肺野の陰影が少し増えているようで、胸水貯留なのか浸潤影なのかわからないが、気になった。3日前にCTを撮影したばかりなので、経過が思わしくなければ連休明けにCTを再検します、といっていた。

 

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