日曜日に81歳女性がめまい(ふらつき)で受診した。以前から歩行障害(痙性歩行?)もあったようだ。
日直は大学病院からバイトで来ている外科医だった。外来で休ませて、帰宅とする予定だったが、東京から来た息子さんが入院させてほしいと希望して、入院とした。
血液検査で炎症反応が高く、画像検査を行うと、両側肺に奇異な浸潤影を認めた。入院の時点では単なるめまいではないとなった。
内科当番だった別の内科の先生が担当となったが、月曜日に肺の画像を見せられた。両側肺の肺尖部と右下肺野上側に浸潤影を認める。通常の肺炎にはみえない。
いつも相談している呼吸器外来に来ている大学病院の先生に相談することにした。まずはそのまま抗菌薬を継続しておくしかない。
火曜日にまた相談された。6月から難聴で耳鼻咽喉科に中耳炎で通院していたという。生検もしていて、(非特異的な)肉芽腫性炎症とされていた。
耳鼻咽喉科医は滲出性中耳炎ではなく、ANCA関連血管炎性中耳炎を考えて、ANCAを測定していた。MPO-ANCAが陽性だった(PR3-ANCAは陰性)。再発時は内科紹介へと記載していて、紹介はしていなかった。
とすると、奇異な肺病変もそれに関連していることになる。多発血管炎性肉芽腫症(GPA)は本来はPR3-ANCAだが、MPO-ANCAのこともある。
水曜日に来ていた大学病院のリウマチ膠原病科の先生に相談した。GPAの診断で間違いない。治療はどうしましょうかといわれたので、ぜひ大学病院でお願いしますとお願いした。直接大学病院の病棟に連絡してくれて、転院が決定した。