なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

また他院で診断された自己免疫性膵炎

2015年04月10日 | Weblog

 昨日も当地域での小規模な糖尿病の講演会があり、聴いてきた。講師は医大糖尿病代謝科の元教授で、現在は職域病院の院長をされている先生だった。オーソドックスな講演でインスリン分泌不全のタイプとインスリン抵抗性亢進のタイプに分けて、症例をもとに話された。SGLT2阻害薬は他の糖尿病薬を使っても改善が見られない症例に使っているそうで、慎重な立場と言っていた。

 SGLT2阻害薬を使用すると、グルカゴン分泌が亢進する。DPP4阻害薬を併用するとプラスマイナスでゼロになる。併用がよいが、両者を併用すると薬代がかさむのが難点とも言っていた。SGLT2阻害薬・DPP4阻害薬・メトホルミンの三者併用はさらにいい。DPP4阻害薬は体重減少も増加もなくニュートラル。注射薬としてはGLP1作動薬が体重を減少させるが、内服薬としてはSGLT2阻害薬が初めての薬になる。

 SGLT2阻害薬で体重が3Kg低下するが、減少し続けるかというと、そこで頭打ちになる。過食になるのが原因だそうだが、体重を維持しようというホメオスターシスが働くのではないかという。

 その会でちょっと離れた地域で開業されている先生と久しぶりに会った。インフルエンザの患者さんがいなくなって、受診数が少ないという。医院の場所からは当院ではなく基幹病院に紹介になるが、担当の先生によっては快く受け入れてもらえないと嘆いていた。開業の時にかかった借金は10年ちょっとの診療で返し終わったそうだ。土地は30年の契約で借りていて、契約が終わるころは70歳代になるが、それまでに蓄えたいそうだ。土地返却時は更地にして返すので、その費用も準備しなければならないという。

 昨日、神経内科医から自己免疫性膵炎の患者さんの糖尿病治療をお願いしたいと頼まれた。すっかり忘れていたが、昨年脳梗塞後遺症で神経内科外来に通院していた77歳男性が、血糖コントロール不良となり、そのまま神経内科に入院した。食事と糖尿病薬(内服薬)の変更では改善しなかった。急な悪化で、CA19-9が高値だったので膵癌の検索を勧めた。腹部造影CTで膵頭部に低濃度があるようにも見えたが、腫瘍とはいえなかった。腹部造影MRIで膵頭部に腫瘍が疑われた。MRCPで膵頭部の主膵管が狭窄して膵体尾部の主膵管が軽度に拡張していた。膵頭部癌疑いとして、県立がんセンター消化器科に紹介された。

 自己免疫性膵炎といわれれば、確かに限局的だが膵頭部の主膵管は自己免疫性膵炎の狭細化した膵管と見ることができる。膵頭部は腫瘤形成性膵炎の形態を呈していたのだろう。ステロイド投与で、糖尿病の治療はインスリンが導入されている。この方は当院循環器科に通院していて、検査結果をみると直近のHbA1cは7.9%だった。もともと糖尿病がある方のステロイド糖尿病としてはますまずなのかもしれない。目標は7.0%だろう。

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山田悟先生の講演会

2015年04月09日 | Weblog

 昨日はSGLT2阻害薬の講演会で山田悟先生の講演を聴いてきた。講演の直前に来られて、直後に帰るという相当お忙しいスケジュールだったようだ。CareNeTVの講演では穏やかそうに話されているが、実際に生で聴くと、演壇から離れて動かれて、身振り手振りも大きくエネルギッシュな講演だった(座長も過激と表現)。

 これまでのカロリー制限・脂質制限・蛋白制限はエビデンスがなく、推奨度が高いが、あくまでコンセンサス(専門家の意見)によるだけというものだった。CareNeTVで見られる分は全部見ていたし、著書も買っているので内容は知っているが、やはり直接聴くのはインパクトが大きい。出席者からの指摘があったように、カロリー制限食の批判と糖質制限食の正当性の話だけで終わったので、具体的な糖質制限の方法についての話はなかった。まあ、1時間の講演では無理だろう。

 山田先生は、「食・楽・健康協会」を設立されていて、企業への働きかけもあるらしい。コンビニでも糖質制限食を買えるようにしたいと言っていた。実際飲食店でも糖質制限のメニューがあるところも出てきている。糖質制限が商売になるとわかれば、企業が参入すると思う。

 閉会のことばを述べられた先生が、私も糖質制限に賛成ですと述べられた、注意すべきは、患者さんたちは三度の食事ではご飯を茶碗に一杯か半分にしている人がほとんどだが、間食が多いという。また清涼飲料水の摂取が多く、健康にいいと思って飲むヤクルトやポカリスエットも糖分が多いので注意が必要と話された。糖質制限の間食用の食べ物があるといい。いつもチーズとナッツというわけにはいかないから。(私が糖尿病学会に入会する際に推薦状を書いてもらった先生で、大分白髪が増えていたが、お元気でなによりです) 

 それに先立って、杏林大皮膚科・塩原教授の講演もあった。薬疹が専門という。薬疹は1~2週間で出ることが多く、以前に感作されていれば数時間~数日で出現する。重症薬疹は、皮疹が皮膚それに粘膜(口腔・眼・陰部)に出現する。剥けているのが10%以下ならStevens-Johnson症候群(SJS)で、10%以上ならはTENになる。皮疹だけでは皮膚科医でも薬疹と断定することはできず、経過と副所見で判断するしかない。皮疹の割に粘膜症状が重篤な場合は重症薬疹(鑑別は麻疹)。定義上ステロイドの内服や外用を使用すれば、重篤な薬疹とすることになるので、実際はそれほどでもないものも含まれるという。

 皮膚の乾燥は、角質の水分量で決まり、湿度・汗・水分の供給と皮膚表面からの蒸発のバランスによる。糖尿病の患者さんは、皮膚が乾燥しやすく、乾皮症から乾燥性湿疹になる。ステロイドの外用は皮膚を乾燥させるので保湿剤(ヒルドイドなど)をたっぷり使う。SGLT2阻害薬スーグラで報告された湿疹は、実際は乾燥性湿疹が多かったという話につながるのだった。

 それにしても、今時は開会のことばをOpening Remarksといい、閉会のことばをClosing Remarksというんですね。

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ほとんどは高齢者の肺炎

2015年04月08日 | Weblog

 昨日緊急手術になった92歳女性は、子宮留膿腫の破裂で膿性腹水が貯留していたそうだ。血圧50mmHg台でドーパミン、ノルアドレナリンを使用しての手術だったが、術中の急変もなく今日は尿量も確保できているそうだ。確かに子宮が腫大して多発性に石灰化した筋腫もあるが内腔に液体貯留があり、外科医は子宮留膿腫かもしれないとも言っていた。こういう時の外科医の決断と実行は大したものだと思う。

 朝方救急外来を受診した64歳女性は先月に続き2回目の一過性脳虚血発作を起こした。症状はいずれも構語障害で、一時的に意識レベルも低下(ほんやりとして、受け答えが緩慢)した。MRIで脳梗塞巣はなかったが、MRAで中大脳動脈の一部(M1)に狭窄が疑われる所見があった。先月入院時に主治医となった内科の若い先生が、脳血管障害の専門病院(脳血管内治療科)に紹介していた。

 病棟の糖尿病様御一行がいっぺんに退院してしまった。血糖測定とインスリン注射以外は、普通に院内を自由に歩いているので、寝たきり患者さんの多い内科病棟としては楽な患者さんたちだ。他科に入院している5名の糖尿病患者さんたちの血糖も診ている。そのうち整形外科に大腿骨骨折で入院している70歳女性は、心臓バイパス手術で心臓専門病院に入院した際に、その病院の糖尿病専門医がインスリン強化療法を導入した。専門医は超速効型と持効型を1:1に近い比率にするようだが、肥満の2型糖尿病では持効型が多すぎる気がする。入院後食事療法が強制的に守られるので、血糖は低めとなり、少しずつインスリンを減量している。外来の合計46単位が今日は32単位になった。古典的な?カロリー制限食でも血糖は十分に下がっている。

 先月肺炎・胸膜炎で入院して86歳男性が、ショートステイ入所中に発熱して受診した。先月に見られた胸水はなく、左下肺背側の陰影は腫瘤様に見えるが、内部に気管支が見られるので炎症像でいいのだろう。左腎臓に径10cmの腎細胞癌があるが、これはがんセンターで経過観察となったもの。今日の入院はこの方だけになりそうだ。

 昨日院長先生から、病院紹介の文章のうち内科部門のところを必要があれば直すようにと言われた。内科系のうちの(固有の)内科の紹介に、「感染症病床を用いた専門的な感染症診療」とあった。正確には、病床はあるが、輸入感染症などの時はそこに入院させて大学病院の感染症専門医が診に来る手筈になっている。実際は一般病床での高齢者の誤嚥性肺炎が中心で、まあ何でも診てはいる。「感染症を中心とした総合診療」に訂正した。亀田総合病院などをイメージした。診療レベルが違い過ぎるが、気持ちは大きく持ちましょう。

 今日は北里大学糖尿病センター長の山田悟先生の講演(緩やかな糖質制限の話)を聴きに行く予定。

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夜に急変

2015年04月07日 | Weblog

 脳梗塞後遺症・嚥下障害の84歳男性は、先週から両側誤嚥性肺炎の治療を受けていた。昨日の検査でも陰影が広がっていたが、酸素飽和度は変わらなかった。翌日に家族にもう一度説明して、病状が厳しいとお話しすることにした。見込みが甘く、夜間に心肺停止に陥ってしまった。当直医(外科医)が呼ばれて、心肺蘇生を行ったが効果はなかった。病院に来た時には、当直医が蘇生術を辞めて、死亡確認した後だった。肺炎発症時に両側で難しいかもしれないとはお話していたものの、急変なので非難されても仕方ないと思っていたが、それはなかった。認知症で日中はよく叫んでいて、体幹抑制をしないと起き上がって転倒をしてしまうのでやむなく行っていた。雄叫びが病棟の名物のようになっていたので、今日は静かな病室になって、日勤の看護師さんたちが、この患者さんがいないことを実感していた。

 看取ってくれた外科医は、この患者さんを看取った20分後に、他の病棟に入院していた透析導入しない方針の慢性腎不全の患者さん(85歳女性)も看取ってくれた。こちらは心肺停止時DNRになっていて、家族に見守られて静かに亡くなった。朝にその報告も受けて、申し訳なさが2倍になってしまった。

 今日はグループホームに入所中の82歳女性(認知症)が、内科クリニックの紹介で救急搬入された。右肺の誤嚥性肺炎ということだったが、CTで確認すると左下肺にも浸潤影があり、両側だった。今々危ない状態ではないが、責任者の姉(患者さんは独身)に悪化した場合の話もした。まずは点滴を抜かれないようにしないといけない。

 救急室にいると、救急当番をしていた外科医が31歳男性の腸閉塞(腹部手術と腸閉塞の既往あり)を診ていた、そこに92歳女性がショック状態で救急搬入された。四肢末梢がチアノーゼを呈していた。血圧は50mmHg台。それでも意識は清明で、盛んに酸素吸入のカニューラを外していた。肺炎はなく、尿所見もそれほどではない。尿培養と血液培養を提出して、画像検査になった。単純CTで腹水を認め、小腸の拡張と消化液貯留、腸間膜脂肪織の炎症像もあった。外科医がS状結腸がおかしいということで、血圧は低いが(ソルラクト500mlが2本め)、造影CTを行った。腹腔内に遊離ガスがあり、S状結腸穿孔が疑われた。腹部に圧痛はあるが、腹膜刺激症状もあるらしい。明らかな結腸癌はなかった。発症は昨夜遅くか朝方。このままと助からないので、緊急手術となった。

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何ということもなく忙しい日

2015年04月06日 | Weblog

 今日は午前中は内科再来を診て、午後は病棟の回診だった。週明けの月曜日は普段から他の平日よりも忙しい。今日は病棟ではなくて、予約外の外来受診で忙しかった。

 先週大学病院から、経過観察と悪化時の入院治療依頼で紹介された肺癌の82歳男性が息切れで受診した。右下肺の呼吸音が弱く、これは胸水貯留だろうと思って胸部X線を撮ると、確かに胸水だった。先月の大学病院の胸部X線・CTではわずかな胸水のみだったが、今日は右胸腔の半分は胸水になっている。酸素飽和度は室内気で96%だった。動くと息切れがする。その旨をお話して入院しますかと尋ねると、入院はしたくないという。この方の奥さんは脳血管障害で当院に入院している。先週一緒に来た息子のお嫁さんの父親が別の病院に入院(脳血管障害)して、ひとりで来たという。利尿薬(ダイアート30mg)とステロイド(デカドロン3mg/日)を処方して、3日後に予約を入れた。呼吸困難・息切れが増悪する時は、すぐに受診(入院)してもらうことにした。

 高血圧症(心気症も)で通院している89歳女性が、2週間以上前からの食欲不振・倦怠感で受診した。3Kg以上の体重減少もある。発熱はないというが、一人暮らしなので正確にはわからない。高熱はないのだろうが、微熱はあるのかもしれない。悪寒戦慄はないが、寒気を感じることはあったそうだ。この方は大動脈の弁膜症がある。心雑音はいつもと同じように聴こえた(違う雑音が混じったかどうかは自信がない)。胸部X線・CTで肺炎はく、尿混濁もない。炎症反応上昇(白血球数12000・CRP7)があった。肝機能障害はなく、腹部エコー・CTで肝胆道系に異常はなかった。CTで見る限り、腹部悪性腫瘍はなさそうだ。感染性心内膜炎(経過としては亜急性)の可能性があるのかもしれない。外来で血液培養を提出して、入院とした。心エコー検査で疣贅を確認する。

 いとこの62歳女性が、食欲不振・倦怠感で受診した。顔をみるなり、入院させて下さいという。その母親は昨年亡くなった。父親(私の亡くなった父の兄)は認知症で施設と病院を行ったり来たりしている。夫の親も最近亡くなって、今は直接介護する人はいないという。いつ施設から入院になると電話がかかってくるかもしれず、気疲れするそうだ。息子が最近仕事を辞めて、今求職中なのも気になっている。一般的な検査をしたが、異常はなかった。近医からグランダキシンとデパス(それぞれジェネリック)を処方されていた。精査はしていないが、心因性と思われる。このくらいでは精神科病院で入院させてくれないし、本人も行く気はないので当院内科で入院とした。

 経口セフェム系はケフラールでもよいのではとご指摘いただきました。確かにケフラールはbioavailabilityが80%で、ケフレックスの99%には及ばないものの十分です。重症として1回500mg投与できる。青木先生の本には、第2世代セフェム系の処方として、点滴静注としてパンスポリン1gを6~8時間毎、経口ではケフラール250~500mg6~8時間毎とある。何故ケフラールに悪い印象があるかと考えると、どうも大野博司先生の本で、ケフラールの項に「血清病の副作用あり」とちょっとだけ記載してあったを覚えていたかららしい。でもケフラールの血清病って、何?。そもそもケフラールのこれまでの処方数は10回未満で、副作用は経験していない。

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ケフレックス

2015年04月05日 | Weblog

 岩田健太郎著「目からウロコ!外科医のための感染症のみかた、考え方」を通読。2/3はドトールで読んだ。セフェム第3世代経口薬(フロモックス、セフゾン、メイアクトなど)はbioavailabilityが20~30%と吸収が悪すぎて、臨床的には使う場面はほとんどないという。そもそも1回1g単位で使用するセフェム系点滴静注薬に対して、第3世代セフェム系経口薬は100mgの規格になっている。実質吸収されるのは20~30mgということになる。ひょっとしたら尿路感染では効くかもしれないが、気道感染では効きそうもない。

 点滴静注でセファゾリンを使うような連鎖球菌・黄色ブドウ球菌を狙った状況では、第1世代のケフレックスが推奨されている。1回500mgを1日3~4回投与で、bioavailabilityが90%以上なので、十分な投与量になる。当院の院内処方にケフレックスはない。オーダー画面に入っていないので、院外処方もできない(手書きすれば出るが会計できない)。院内のセフェム系はケフラール・フロモックス・メイアクト・セフゾンが入っている。婦人科はフロモックスを、循環器科はメイアクトを、小児科はセフゾンを処方している。循環器科は点滴静注もオメガシンを愛用している。明治製薬に義理があるのか。

 当院の新規薬採用の条件は、すでにある薬剤との交換になっている。つまり1剤を減らして、その代わりに1剤を採用する。薬剤の総数を増やさないということだ。ケフラールはあまり使用されていないので、ケフレックスと交換できそうだ。岩田先生の他の本には、第3世代経口セフェム系を1剤選ぶとしたら、保険上問題なく倍量処方できるメイアクトがいいと書いてあった。つまり、経口セフェム系抗菌薬は、ケフレックスとメイアクトだけでよいという。第3世代セフェム系経口薬は1剤だけにまとめしょうというのは、もめそうなので言わないことにする。他にほしい薬剤を入れる時の交代要員として、とりあえずそのままにしておこう。

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中高年医師の勉強法

2015年04月04日 | Weblog

 medicinaの4月号は「救急疾患、重症はこうして見極める いつまでもヤブと思うなよ」で山中克郎先生が編集している。勉強法の記事も付いている。確かに今は研修医など若手医師向けのセミナーや講習会は多数開かれているが、中高年医師向けと銘打ったものは少ない。研修医もいずれは中高年になる。医師としての、一生を通じての勉強法は考える必要がある。

 ファイザーの若手医師セミナーは初めのころから、会場に行って聴いていた。通常は地元のファイザー製薬の事務所に行っていたが、たまたま東京の学会に行っていた時はベルサール神田で聴いた。学会と関係なく、ナマで林寛之先生を見てみたいと思って行ったこともある(上野で開かれたフェルメール展と抱き合わせだが)。昨年は臨床微生物学会のセミナーが東大の構内であったので、三四郎池など見てみたいというのもあって行ってみた(医学書院での山中先生の講演と抱き合わせ)。

 あとは、ケアネットのCareNeTVに登録して、繰り返して見る様にはしている。地元開催の製薬メーカーの講演会も、すぐ役立ちそうなテーマの時はできるだけ出ている。東京開催に限ってだが、学会が年3回、セミナーが年1~2回くらい。若手医師セミナーに出ている著明な先生方の著書を買って読むことにしている(ちゃっかりサインをもらったりしている)。

 ○○GIMのような症例検討会に出てみたいが、東京までいくのも大変なのと、診断力の優れた先生方の会にいくのは気後れしてしまう。有料でいいので、症例検討会の配信があればぜひ見たい。専門医への紹介を通して、少しずつ診断・治療を覚えていくのも勉強になる。

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結局手術になる

2015年04月03日 | Weblog

 昨日胆嚢結石症・急性胆嚢炎で入院した80歳代男性(脳梗塞後遺症で全介助)は、平熱から微熱くらいで自覚症状や圧痛の程度は変わらなかったが、検査値(白血球数・CRP25)が悪化した。外科にまた相談して、昼過ぎから緊急手術となった。結果は「胆嚢壁が腐ってました(壊死性胆嚢炎)」ということで、週末の休み前に手術してもらってよかった。保存的に診ていたら、敗血症性ショックで土日に急変した可能性もあった。こういう使い方をするとCRPは役に立つ(今回外科医に決断させたのはCRPの著増)。

 昨日は内視鏡室の看護師さんの定年退職の慰労会があった。4月からも再任用で働くので実態は変わらないが、区切りなので消化器科医の音頭で開催された。勤続40年になる。病院のこれまでの歴史や勤務された先生方を良く知っている。各病棟や部門を回ったが、内視鏡室勤務になってからは(正確には検査担当で心カテや造影検査全般にかかわる)、専門的なことにかかわれたので、やりがいがあったと言っていた。内視鏡治療の手技や道具に精通している。内視鏡医が鉗子を止血部位にもっていくと、(指示が出る瞬間か、出る一瞬前に)その看護師さんがすばやくクリップをかけてしまうそうだ。

 昨日は外科医が当直だった。歩いて受診する患者さんは少なかったが、救急搬入が多かった。飲酒で動けなくなった中年女性(今朝退院した)、めまいの初老男性、排尿してそのまま失神した高齢女性、大腿骨頸部骨折、うっ血性心不全の102歳女性と多彩なラインナップだった。居酒屋で慰労会をしている時に救急車が走っていって、内科当番だった私は呼ばれるかと思ったが、連絡はなかった。一晩は外科医が自分で診ていて、今朝になってからそれぞれの専門科に割り振られた。大学病院にいた時に救急部門にいた先生なので、苦にならないらしい。

 若い消化器科医が慰労会の時に来年父親の医院を継ぐという話をした、雇う看護師さんも考えているらしい。一日中外来で高齢者を診るのはいやだといっていたが、開業医のひとり息子として決断したようだ。新院長先生に廊下で会うと、ちょっとと呼ばれて院長室で話を聞いた、脳外科医がいなくなったので、脳外科疾患の患者さんが搬入された時の搬送先が問題になっている。多数の脳神経外科医をかかえる病院に挨拶にいって相談したという。他の脳神経外科病院にも挨拶に行く予定と言っていた。聞いたばかりの若い消化器科医の医院継承の話を伝えた。消化器科医の動向は病院の死活問題になる。

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誤嚥性肺炎、急性胆嚢炎、ジゴシン中毒

2015年04月02日 | Weblog

 今日は外来がないので、午前中から病棟を診ていた。昨日一時的に酸素飽和度の低下した80歳代男性は、不穏の程度が低下して、一言でいえば「いつもよりおとなしい}という状態だった。呼吸困難とは言えないが、動くと息切はしていた、今日血液検査で白血球数増加とCRP上昇(19)を認めた。胸部X線・胸腹部CTをとると両側肺に数か所ずつ誤嚥性肺炎と判断される陰影があった。左中大脳動脈閉塞で入院したが、その領域全体ではなく、まだらに梗塞巣になっていた。幸い経口摂取はできるが、認知症の不穏がひどかった。精神薬がちょっと多いと効きすぎてしまう。へたに効きすぎるくらいなら騒ぐのは仕方ないという方針になった。明らかなむせはないが、嚥下反射が低下して、誤嚥性性肺炎を少しずつ起こしていたのだろう。絶食で抗菌薬投与となったが、その後の経口摂取をどうしたものか。

 施設入所中の脳梗塞後遺症の80歳代男性が、昨夜からの腹痛・嘔吐・発熱で紹介されてきた。昨年脳梗塞の時に診ていた。長期入院になって、経口摂取が進まず、高カロリー輸液で経過をみていた(胃切除術後で胃瘻造設できない)。そのうちに少しずつ経口摂取できるようになって、施設入所にたどり着いた。広範な脳梗塞に一時は慢性硬膜下血腫(脳外科から手術適応なしといわれた)も併発していたので、奇跡的な退院だった。

 腹部エコーと造影腹部CTで、胆嚢結石症+急性胆嚢炎だった。外科医と相談したが、まず保存的に内科で経過をみることになった。食事がセッティングで一部介助、その他は全介助なので、外科としてはできれば手術は避けたいところだろう。保存的に治療してだめなら手術という方針になる。

 大学病院から内科外来の応援(バイトです)に来ている先生から、徐脈の患者さんがいると相談された。かかりつけは市内の病院で、外来で診ている先生が午前中いないと言われて、当院を受診した。慢性腎不全があり、そこに発作性心房細動に対するジゴシン0.25mg/日が処方されていた(シベノールも処方あり)。普段はクレアチニン2台らしいが、食欲不振(これもジゴシン過量の症状だろう)で脱水症もあるためか今日は3.9だった。ジゴシン血中濃度は5以上と出た。点滴で脱水症の治療をしてジゴシン濃度が低下するのを待つしかない。意識は清明で歩くとふらつくが、車いすでの移動は問題ない。

 その病院に連絡すると、外来主治医が午後に来るので診察すると連絡が入った。その後その先生から明日なら診ると言われたそうだ。連絡を取っていた医療連携室の方が、電話をその先生につないだので、直接お話しすることになった。大学循環器科の准教授だった先生で、診療科ではないが教授になって定年退職していた。いろいろと病状のことを話されたが、診たくないという雰囲気が伝わってきた。そこを一押しして、今日診察して入院治療することにしてもらった。あくまで丁寧に婉曲にお願いしました。内科外来に当院循環器科医が見当たらなかったので相談しなかったが、事情を話せば「診ている先生に責任をとってもらえ」と言われるに決まっているから。偉い先生なので、必要があれば大学病院循環器科に紹介すると思う。

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平穏な日、糖尿病多し

2015年04月01日 | Weblog

 自分としては割と平穏な一日だった。午前中の内科再来も、午後の病棟も、あまり問題なく終わった。また整形外科に大腿骨頸部骨折で入院している患者さんの血糖コントロールを依頼された。これで整形外科2名、外科1名の糖尿病患者さんを担当することになる。内科に糖尿病教育入院が3名、糖尿病も持っている患者さんが2名(胆嚢炎と肺炎)いるので、先週から糖尿病weekになっている。

 頸部痛で入院して、血液培養でグラム陰性桿菌が検出された80歳代男性は、消化器科で抗菌薬投与を継続している。1セットから大腸菌が検出されて、もう1セットから大腸菌と肺炎桿菌が検出された。胆道感染の起炎菌として一般的な菌だった。頸部痛は感染症と関連していたのかどうかわからない。

 アマゾンに注文していた「診断推論step by step」と「不明熱に絶対強くなる」が今日届いた。鈴木富雄先生といえば、「チンチンチン」。いや本当に役に立ちます。私がしょっちゅう「チンチンチン」を連呼するので、他の内科系の先生方も覚えてしまった。勉強しましょう。

 当院は本日から新しい院長先生になった。もう10年以上前から勤務されている先生の昇進なので違和感はない。ほかにも新規に赴任された先生方がいるので、ちょっと医局の中もはしゃいだ雰囲気がある。内科系は良くも悪くも変化なし。

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