なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

寺澤秀一先生の講演

2015年08月22日 | Weblog

 昨日の夕方に救急当番だった内科の若い先生から連絡がきた。院長先生を交えた会議中(何と数年ぶりの懲罰委員会)と伝えると、それではしょうがいないと切れた。会議が終わって、コンピュター画面で確認すると40歳代男性が救急搬入されていた。どうなったのか見に行ってみると、患者さんはすでに亡くなっていた。胸痛で搬入されて、時12誘導心電図を撮ることができた。胸部誘導でST上昇があり、急性心筋梗塞として心臓センターのある病院に搬送する準備をしているうちに心停止した。心肺蘇生術をして、一時的に心拍だけ少し戻ったが、自発呼吸と意識は戻らず、結局ダメだった。

 呼ばれて対応に当たった循環器科医がいて、「(閉塞した冠動脈は)LMTかな」と言う。aVRにST上昇を認めると判読していいのだろう。当然ながら、トロポニンT陽性・心筋酵素の上昇・D-ダイマー上昇があった。大学病院に神経疾患で通院していて、プレドニンを内服していた。詳細はわからないが、数日前から体調不良で食事や水分があまり摂れなかったらしい。Hb濃度(以前受診した際の血液検査あり)が上昇して血液濃縮があった。

 昨日は早く帰って、妻も帰りが遅かったので、コンビニの弁当を買ってきた。手早く食事をすませて、午後7時30分からの若手医師セミナーに備えた。今回は寺澤秀一先生の「救急診療パールズ」。症例の提示は少ないが、医師としたの心構えをユーモアを交えて話された。若手医師よりも中堅~ベテラン医師に沁みる話だった。寺澤先生の若手医師セミナーは今回が最後だそうだ。当院にまだ初期研修医がいる頃に、当時救急を担当されていた先生が、どういうつてかわからないが、寺澤先生を講演に呼んでくれた。講演後のサイン会で、研修医といっしょに「赤本」にサインしていただいた(当時は第3版)。青木先生が涙が出そうと言っていたが、確かに講演中に涙が出た(年のせいもある)。

(症例提示に注意いたします。ご指摘に感謝します。)

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結局、脱水症だけ?

2015年08月20日 | Weblog

 先々週に脱水症で内科外科クリニックから脱水症として紹介された82歳男性は、受診時著明な腎機能障害を認めた。BUN126・血清クレアチニン11.58だった。血清カリウムは5.8と軽度に上昇していた。連絡があった時の予想としたは、血清クレアチニンが2くらいかと思っていたので、かなり驚いた。Hbが17.3で血液濃縮だった。

 この方は一人暮らしで、普段は週に2~3回パチンコ店で清掃の仕事をしているという。店内ではなくて店周囲の掃除だった。暑い日が続いていたので、熱中症になりやすい状況ではあった。4~5日前から食欲不振で、水分もあまりとらなかったようだ。会話はできるが、ぼんやりとした印象があった(傾眠というほどではない)。

 一番心配したのは、急速進行性糸球体腎炎だった。外来を受診してすぐから点滴を開始して、血液検査の結果をみて点滴速度を速めた。前々日はその紹介したクリニックが休診日で月の内科クリニックで点滴1本を受けて、当日はかかりつけのクリニックで点滴2本をしてきていた。結局津gの日まで当院だけで2500mlの点滴をしたが、尿量は100ml程度だったが、血清クレアチニンが8.71と下がっていた。

 次の日の夕方には尿が出始めた。3日目で血清クレアチニン4.52、さらに5日目2.04と下がって、12日めで0.94となった。尿検査自体は異常なし。結局、脱水症による急性腎前性腎不全ということになった。

 一人暮らしなので、少し静養してから退院したいというので来週まで入院継続の予定だ。夏の暑さもおさまりつつあるので、もう大丈夫だろう。紹介先に経過を報告するが、相当驚くと思う。

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心不全and/or肺炎

2015年08月19日 | Weblog

 日曜日に発熱と咳で救急外来を受信した72歳男性は、聴診で右肺にcoarse cracklesを認めた。胸部X線で右肺に浸潤影が疑われて、胸部CTで確認した。両側肺(右優位)に汎小葉性にすりガラス様陰影が認められた。肺炎の浸潤影ではなかった。心房細動・高血圧症で循環器科に通院していて、普段と比べると胸水が軽度に貯留していた。BNPも50前後から147と上昇していた。浮腫はない。室内気で酸素飽和度は95~96%だった。しんぼう細動だが、心拍数としては正常域にあった。虚血性変化もない。白血球数9900、CRP6と上昇していた。

 てっきり肺炎でいいと思っていたので、画像が合わなくてちょっと迷ったが、その時は肺炎として抗菌薬で治療を開始した。セフトリアキソンを点滴したが、入院したくないと言われて、クラビット内服で外来治療とした。

 翌日受診して、入院しますということになり、内科に入院した。入院後泡沫状の血痰が出始めた。ここでやっと心不全の症状と判断して、利尿薬(ダイアート30mg)を追加した。同じ痰が昨日まで続いたが、今日は血痰はなく、透明な痰が出ていた。気道感染で心房細動・心不全が悪化したということになるのだろうか。放射線科の読影レポートは「肺水腫・肺炎の合併は否定できず」だった。、その通りでございます。正しくは、救急外来を受診した時に、心房細動・心不全の悪化として循環器科にコンサルトして、心不全の治療を開始(抗菌薬併用)することだった。

 今日の検査では胸水・肺水腫の所見が少し軽減して、炎症反応も改善(白血球数正常化・CRP値低下)していた。利用薬投与も経口薬で大分緩い治療だが、幸い効いたようだ。悪い治療の見本のようになってしまった。

 

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椎骨脳低動脈解離の疑い

2015年08月18日 | Weblog

 先週金曜日の夜に、めまい・嘔吐で71歳男性が救急搬入された。頭部MRIで左小脳半球と延髄外側に新規の脳梗塞を認めた。当直医は外科医で、当番の内科の若い先生に連絡して入院させた。翌日の金曜日の午前中に相談されて、画像を見た。この患者酸は12年前に、急性心筋梗塞で当院循環器科に入院していた。緊急でPCIが行われて、左前下行枝(99%)と右冠動脈(90%)にステンドが留置された。その後はフォローの冠動脈動脈造影検を受けて、近くのクリニックで抗血小板薬と降圧薬を処方されている。

 発症は急ではなく、前日の午後からあったらしい。夜になってめまいがひどくなって救急要請していた。PCIを受けただけあって、脳血管も全体的に狭窄・不整をみとめると思った。ふだんなら放射線科医にMRIを診てもらって相談する。その先生は脳血管障害(比較的小さな脳出血)で入院していて、やっと退院したばかりだった。自宅静養に入っていた(今週から復帰)。常勤医が入院したために大学病院からの応援医師が入っていた。ただすぐには相談できない。専門の病院への搬送も考えたが、新規脳梗塞として保存的に治療して経過をみることにした。

 月曜日にMRI読影レポートが出ていた。左椎骨動脈か脳底動脈にかけて解離が疑われるという診断だった。MRAの元画像を見たが良くわからなかった。とにかく場所が場所だけに、(遅ればせながら)専門医へ搬送することになった。脳血管内治療もできる脳血管障害専門病院へ連絡したところ、受け入れOKですぐに搬送となった。

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一過性全健忘

2015年08月17日 | Weblog

 日曜日の日直の時に、64歳女性が昨日の記憶がないという訴えで受診した。昨日の午前中に夫の実家に行ったそうだ。行ったこと自体を憶えておらず、その日の夕方自宅に戻るまでのことがわからないという。今日はその場にいなかった弟だけが付きそうで来たので、その時の詳しい状況を家族に聞くことができない。何度も同じこと訊いていた言われたそうだ。頭部MRI検査を行っても異常はなかった。一過性全健忘(TGA)と判断された。心配ないことと、年に1人くらい同じ症状で受診していることを伝えると安心して帰って行った。

 循環器科に持続性心房細動・高血圧症で通院している72歳男性が発熱で受診した。右肺にcoarse cracklesが聴取されて、胸部X線では右中肺野に淡い陰性があるのがわかった。胸部CTで確認すると、スリガラス様の淡い陰影が散在しているが、間質性陰影ではなくて帆胞性陰影だった。通常の肺炎でいいのか迷う。入院したくないというので(酸素飽和℃は室内気で95~96%だったので、外来治療とした。明日の予約にしていたが、今日になって入院すると言って受診してきたので、そのまま入院とした。ふだんよりは、軽度だが胸水があることから心房細動・心不全として悪化しているようだ。入院後に血液の混じった泡状の痰を喀出した。

 当番医の医院から87歳女性が発熱で紹介されてきた。添付された胸部X線で肺炎像ははっきりしなかったが、白血球数増加・CRP上昇があり(尿路感染は否定的)、胸部CTで確認するとごく軽度だが肺炎像があった。年齢的には入院でもいいが認知症があり、外来治療で経過をみることにした。食欲良好で、元気にしゃべっていたが、内容はピントがずれていた。

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肺癌の転移

2015年08月16日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。昨日、腎臓内科(大学病院からの応援医師担当)に通院している87歳男性がめまい・嘔気で救急搬入されていた。日直の循環器科医が検査すると左上葉に腫瘤影があり、小脳にも腫瘤影があって転移が疑われた。

 この患者さんは一人暮らしでヘルパーが週に何回か入っていた。一人息子は東京にいるので、通院などは甥が面倒をみていた。施設に入所する手配をしたこともあるが、自宅での生活を希望して(というか、施設入所を拒否して)、一人暮らしを継続していたが、よくこれまでやってききたものだ。腎臓内科の診断は結節性多発動脈炎となっていた。プレドニンを内服している。胸部X線はここ1年以上撮影されていなかった。

 私の外来に高血圧症で通院していた女性(当時83歳)が、この方の亡くなった妻の姉にあたり、何かと生活の世話をしていた。大人しい印象の方で、あまり幸せとは言えないような境遇だったのを覚えている。流産した後に子供が産めない身体になった(患者さんの表現)そうだ。それが原因で、結局若い時に離婚した。大分たってから妻を亡くした男性と内縁関係になったが、籍は入れなかった。その男性が亡くなってからは一人暮らしをしていた。ある日外来で食欲不振と体重減少を訴えた。精査すると進行した膵癌だった。近くに住む甥に当たる男性を呼んで病状を説明した。本人には言わないでくれと言う。できるだけ外来で経過をみて、最期は入院で看取った。

 入院した87歳男性の息子さんが来ていたが、今日にも東京に戻るという。治療は対症療法であり、こうなると退院の見込みがないので、最期まで入院してもらうことになると説明した。息子さんもそのつもりだった。原発巣より転移巣の問題で予後が決まりそうだ。できる範囲では治療してみるが、いよいよ悪化した時はDNRの方針とすることに同意された。これがなくても、一人暮らしはもう限界だったと思う。

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HFpEFがわかりにくい

2015年08月15日 | Weblog

 昨日購入した「むかしの頭で診ていませんか?循環器診療をスッキリまとめてみました」南江堂を読んでいた。3の「左室の収縮が良くても心不全は起こる」にHFpEF(heart failure with preserved ejection fraction)が出てくる。左室駆出率が50%以上あるのに、収縮昨日が低下した心不全と同じ症状が起きる病態だ。拡張不全によるということになるが、その指標が異常を示さないことがあり、診断は難しいらしい。

 心不全症状があっても、心エコーでEFが正常域だと、循環器科に心不全ではないと言われてしまうことがある。炎症反応が軽度に上昇していたりすると、肺炎とされる。胸水貯留に左右差があると特にその傾向がり、肺炎・胸膜炎とされる。利尿薬と抗菌薬投与で治療して、たぶん利尿薬が効いて病状は改善する。

 昨日施設から全身浮腫の91歳女性が紹介されてきた。ちょっと前に内科に入院していた(若い先生が担当)。利尿薬と抗菌薬である程度改善して退院した。前回の心エコーでEFは正常域で、循環器科では心不全とも言いにくいですねという評価だった。この方は低蛋白血症もあり、その影響もある。今回、胸水貯留が左右差があり、肺癌・癌性胸膜炎ではないかということで、胸腔穿刺を行うことになった(穿刺するので付き添い的に呼ばれた)。淡黄色の胸水だった。ちょっと変な方向にいっているかもしれない。

 退院時処方のダイアート60mg+アルダクトンA25mgという組み合わせを、施設嘱託医がラシックス20mgに変更していた。利尿薬の減量で悪化しているから、まず利尿薬増量で見ましょうということにした。入院後、利尿が付いてきたそうだ。要するに心不全(低蛋白血症を伴う)でいいようだ。酸素飽和度は酸素2L/分程度で十分保たれている。なにしろ浮腫で点滴の継続がきびしい。食事も摂れるので、経口薬の調整(利尿薬追加)で何とかなりそうだ。慎重にサムスカ投与もある。

 心不全症状があるが、EFが正常域だ、心不全ではないという流れではなく、HFpEFという診かたをすれば診療がもっと楽になりそうだ。(内科の若い先生は、12年目の男性と5年目の女性。5年目の先生の指導を2人でしている。県の奨学金返済のため公立病院の当院で勤務中だが、その後大学の医局に入局するまで、できるだけ臨床経験を積ませたいと考えている。)

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エコーガイド下内頸静脈穿刺

2015年08月14日 | Weblog

  脳梗塞後遺症の69歳男性は誤嚥性肺炎が軽快したが、ST介入で嚥下食を開始してみたが、ムセて喀痰が増加して微熱も生じた。いったん休止して、もう1回試してみたが、結局難しいという判断になった。来週内視鏡的胃瘻造設(PEG)を行うことにいた。ことにしたが、改めて胸腹部CTで確認すると胃はいわゆる横胃で肋骨弓内にあり、横行結腸がどかんと胃の前にあった。これでは胃瘻は無理だった。結腸と胃を串刺しにしてしまう。いっしょに胃瘻造設を行っている消化器科医は、迷った時にはNGチューブを挿入して空気で胃を拡張させて胃瘻ができるかどうか判断しているが、この場合は行うまでもなく無理だ。家族(妻と息子)来てもらって、胃瘻造設術の同意書にサインしてもらう予定だったが、CVカテーテル挿入の同意書にサインしてもらうことになった。

 内頸静脈からCVカテーテル挿入を行うことにした。内科系ではエコーで静脈の位置を確認して穿刺していて、エコーガイドではなかった(エコーを使ったランドマーク法?)。外科ではエコーガイドで内頸静脈を穿刺していて、ちゃんとプローブに被せるカバーが院内にあることが判明した。今日はそれを使って、本当のエコーガイド下の穿刺を行った。CVのキットも最近正式に購入したテルモ製を使った。穿刺針が細く、Y字の注射器で穿刺したままガイドワイヤーが挿入できる。カットしなくても挿入できるというダイレイターが案外挿入しにくかったが、それ以外は順調に問題なく挿入できた。

 私は鎖骨下静脈穿刺の世代だが、内科系の若い先生先生たちは内頸静脈穿刺を行っている。鎖骨下からアプローチしているのは、50歳代の消化器科医と神経内科医のみだ。外科は年配の先生方も内頸静脈穿刺になっている。大学で行ったエコーガイド下内頸静脈穿刺の講習会では、講師の先生が鎖骨下静脈穿刺は「野蛮」な手技と言っていた。自分はかなり遅れているのだった。

 今日、村川裕二先生編集の「むかしの頭で診ていませんか?循環器診療をスッキリまとめました」南江堂を購入した。土日に読むのが楽しみだ。

 

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胸腔ドレーン挿入

2015年08月13日 | Weblog

 43歳男性(頸髄損傷)は今日のX線で右肺全体が無気肺となり、胸水が増加していた(どっちが原因なのか)。さらに痰が絡んで酸素飽和度が低下した(80%台後半くらいだが)。まず外科医が経皮的気管穿刺を行って、喀痰吸引が十分できるようになった。院内での購入を予定している新製品(試供品になる)だった。ガイドワイヤー付きで穿刺が容易だった。気管切開は、今後の展開をみて考えることになった。

 さらに胸腔ドレーンを挿入した(18Frダブルルーメン)。慣れているその外科医の指導で内科の若い先生が行った(私が指導するよりいいと思って依頼した)。500mlほど排出したところでクランプして、明日また500ml程度を抜くことにした。X線で右上葉が広がっていた。固定の仕方のコツなども慣れた先生の指導で、「勉強になった」という。胸水細胞診も提出した。

 この患者さんは入院時から血尿があったが、CT(単純)で膀胱内に腫瘤様の陰影があった。呼吸管理に追われて精査が遅れていたが、尿細胞診を提出すると、尿路上皮癌が検出された。造影CTで確認すると左腎盂に腫瘍があり、腎盂癌が疑われた(腎細胞癌も考えられるという)、膀胱癌もきっちり造影された。泌尿器科医と相談したが、呼吸状態からみて手術(膀胱全摘+腎摘出)は無理だろう。尿路上皮癌は多発性に出ることがあるという話だった。まだまだ呼吸管理に追われているので、経過観察しかないようだ。両側の胸水貯留は、肺炎・胸膜炎と判断するしかないと思われていたが、癌性胸膜炎の可能性も考えられた。今のところの診断は、膀胱癌+腎盂癌(腎細胞癌否定できず)+両側胸水r貯留ということになる。しだいに全体像が見えてきたようだ。

 私の方は、91歳男性の誤嚥性肺炎、基幹病院腫瘍内科からBSC目的で転院の84歳女性が入院した。昨日紹介で受診して、入院したくないと言って外来で点滴して今日再受診としたCOPD増悪の73歳男性も、また喘鳴があり、通うのも大変と入院に同意した(入院するよう家族に言われたらしい)。誤嚥性肺炎の69歳男性は経口摂取が進まず、来週胃瘻造設を予定することにした。

 

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今日はこんな感じ

2015年08月12日 | Weblog

 今日は内科新患担当の若い先生が夏休みをとったので、私が内科再来を見ながら新患担当となった。開業医も盆休みをとり始めるので混むかと思ったが、受診は少なくて助かった。内科クリニックから今日から休みなのでと、慢性閉塞性肺疾患の感染による(ウイルス性)増悪の患者さんが紹介された(昨日から紹介状がきていた)。酸素飽和度は室内気で95%だった。昨日から鼻水・咳・発熱があり、喘鳴が聴取された(動くと結構目立つ)。胸部X線・CTで確認したが、肺炎の浸潤影はなく、炎症反応もわずかな上昇のみだった。入院したくないというので、デカドロンとセフトリアキソンを点滴して明日また受診することとした。

 外科の先生(諸事情により透析患者さんの管理担当)から、透析をしている78歳男性の血糖管理を頼まれた。この方は糖尿病腎症からの透析導入で、現在でもインスリン強化療法をしていた。直近のHbA1cは5.7%と良好というよりは、良過ぎる。低血糖気味の時間が長くないとこの値は達成できないだろう。

 一昨日はその先生が当直だったが、昨日の午前0時過ぎに意識消失で救急搬入された。血糖が23mg/dlで低血糖だった。グルコース静注で血糖はすぐに改善して意識も回復したが、午前中もすっかりもとには戻らなかった。見当識障害があって、不穏状態だった。動くので一時断念した頭部MRIをその後撮ったが、新規の病変はなかった。低血糖脳症の所見はないが、脳神経にダメージがあったらしい。神経内科にも相談したが、夕方になって正常に戻って食事も食べることができた(朝昼は食べられず)。入院後はヒューマリンRのスケールにしていた。

 依頼されて現在の処方を見てみると、ヒューマログが毎食直前で、就寝前がヒューマログミックス25となっていた。就寝前に混合製剤を使用している理由がわからなかった。3年前まではNを使用していて、その後に腎臓内科医がミックス25に変更していた。これだと午後10~11時ごろに低血糖になるはずで、今回もその時間に低血糖が発症していた。これまで低血糖での受診がないのが不思議だった。昨日の夕食は全量摂取で(インスリンは食前にヒューマリンRのみ)今朝の血糖が101だったので、変更しようと思った持効型は保留にして明日の朝の血糖を見て決めることにした。私の知らないインスリンの使用法があるのだろうか。

 先週入院した78歳女性は、右肺に細かな空洞様病変が広がり、左肺に浸潤影様の陰影+胸水貯留で通常の肺炎ではないが、なんだかわからなかった。炎症反応は軽度から中等度に上昇しているが、発熱はない。結核の検査をしたが、結局抗酸菌は陰性だった。担当の若い先生は左肺の浸潤影様が腫瘤影の疑いありと判断して胸水細胞診に提出した。結果は、腺癌陽性だった。腹部の検索をしていないので、大腸癌などの肺転移も否定できないが、 普通は原発性肺癌だろう。手術はできないし、そもそも全身状態が悪くて化学療法も適応がない 呼吸器科の応援医師(大学病院から出張)と相談して、今後のことを検討することになったが、緩やかな緩和ケアで入院継続になりそうだ(息子と二人暮らしで家庭に介護力がない)。この方は経済的な問題があり、夫が前に入院したが、その時の入院費も現在分割返済中だという。また入院費の相談になりそうだ。

 これも若い先生が担当している気管挿管チューブを抜管した43歳男性(頸髄損傷)は、酸素3L/分で安定していたが、昨夜痰がからんで酸素飽和度が一時的に低下した。喀痰吸引などで改善したが、自力で喀痰を排出することはできない。当直の外科医が、喀痰吸引のための気管穿刺を提案してくれたそうだ。明日予定することになった。気管切開・胃瘻造設になると、施設には戻れず、療養型病床でも受け入れは困難になる。本格的な気管切開ではなく、経皮的気管穿刺(トラヘルパー)で一時的に喀痰吸引を容易にして経過をみることになりそうだが、先行きどうなるのか。

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