つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

大学入試で起こった不正について思うこと

2011年03月05日 | 世の中で起こったこと

京都大学、早稲田大学、立教大学、国士舘大学の入学試験で、不正を行ったものがいた。携帯電話を使って、正答を得ようとした。

誰もが知っている偏差値の高い大学の入学試験会場にいたということは、ある程度優秀な生徒であったことは間違いないだろう。何をそんなに追いつめられたのだろう・・・?
京大に入りたいと、高校時代も含めて頑張ってきたのではないか。彼が過ごした2年の受験生時代に、「当たって砕ける勇気」や、「身の丈を知る謙虚さ」を育てられなかったことが、こんなバカなことを実行に移してしまった大きな原因だろう。でも、彼はまだ19歳の青年だ。「告発」「逮捕」「偽計業務妨害」など彼の人生に負わせるべきものなのだろうか。

大学教育は高度な学問を学ぶためのものであるが、私は人格を育てるものであると考えている。

札幌農学校を創設したウィリアム・S・クラーク博士が名言を残された。

“Boys be ambitious”(少年よ大志をいだけ) “Be gentleman”(紳士たれ)

道民だから言うのではないが、大学教育はこれに尽きると思う。大学は、紳士を育てるための場所だ。
偏差値を争う試験などなんの意味もないのだ。それさえ押さえれば、入試の結果などに左右されるものではないとわかるではないか。残念です。

さらに残念なのが、大学側が、逮捕された青年に法律の場で罪を償わさせようとしていることだ。
人材を育てる仕事をしている教育者ではないか、相手はまだ19歳の未来のある若者だ。彼はとんでもないことをしてしまった。けれども、彼には未来がある。どんな失敗があろうと、若者の可能性を信じるのが教育というものではないだろうか。せめて、人物が特定されたときに告訴を取り下げ、大学で指導をするということはできなかったのだろうか。

同じ年ごろの子どもを持つ親として、このお子さんが望んだ道でないとしてもまっすぐに歩むことができるように祈るばかりです。

「茂木健一郎 クオリア日記」《京都大学等におけるカンニング事件について》
私が感じたことを、きちんと整理して論理的に述べられています。この通りだと私は思います。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする