つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

南極料理人

2011年03月07日 | 映画

友人に「観ていない、ツタヤのレンタルがなかなか旧作に落ちなくて」という話をしたら
ある日彼女からDVDが届いた。娘の定期テストや、私の東京行があって、しばらく借りっぱなしになっていた。
持ち主に申し訳ない気持ちと、早く観たい気持ちと半々で、この土日で「絶対観るからね!」と家族に宣言をした。だが、主婦の哀しさ、一度に通しで観ることができなかった。残念(--〆) 高校生の娘が、まずとりためていた“嵐”のビデオを観にかかった。次から次と半日も“嵐”三昧だったろうか。やっと満足して娘がテレビの前を離れたのは、もう夕方に近かった。それでも、わずかでも、とにかく堺雅人の顔が観たいとDVDをセットした。

「シュールだなあ…」

始まって15分もしたろうか、初めに出た感想だった。上京している間に、丁度開催していたシュールレアリスム展を観た。ものすごい分量で、頭がうにうにしてしまい強烈にその印象が残っていたせいもあるだろう。でも、それを差し引いても「南極料理人」は“優しいシュール”だと思う。

ペンギンもアザラシも、ウイルスも存在しない極寒の地でむさくるしい男8人の生活だ。平穏を装っているがどこかおかしい・・・ピンがずれている・・・とんでもない場所なのに、それなりの普通の生活がある。シャワーも浴びられれば、麻雀もし、食べるものはほとんど日本と変わらないという、でも、やっぱりなんかおかしいような、変!なんだ。家族を思い焦がれ、それでも平静を装う、そんな男たちが必死に食事をする。その様子が映画の全編を覆う。

だっておかしいだろう・・・卓球をやりながら、元素記号や化学式の理屈からラーメンの麺づくりを示唆して、それを実行に移すなんて・・・。そうやってできた一杯のラーメンが、オーロラよりも価値があると認識されちゃうなんて、なんか、あとからあとから“くすり”“くすり”と笑いが湧いてくる。そんな映画だった。主役は堺正人演じる料理人のはずなのだが、どうも、私には“食事シーン”が主役のように感じた。役者さん達が芝居をしているような、していないような・・・そんな、不思議な空気が心地よかった。しゃべらないでいるときの各人が凄い!

友人には悪いが、もう少し借りて、通して観たいと思った。

「南極料理人」の公式サイトを探してうろうろしていたら、糸井重里さんと堺雅人さんが対談しているものを見つけました。内容がとても楽しいので、みなさんぜひご一読を。

http://www.1101.com/iijima_shokudo/sakai/

コメント (2)
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