つれづれおもふ

思えば遠くに来たもんだ~ぼつぼつ語る日々の出来事

ディアドクター

2011年03月20日 | 映画

西川美和監督の風景の美しい映画だった。

田園風景・・・緑色の田んぼの中にたたずむ八千草薫はすごく素敵だった。
私は、八千草薫という女優さんが好きです。“可愛らしい”という言葉がこれだけぴったりくる方もいないと思う。
口の中でぐずぐずとこねくり回す感じが、凄く魅力的だし、それでいて、凛とした空気も持っている。
物語の最後、警察の目をくぐりぬけて、彼女の前に変装して現れた“伊野”に気がついて、あら?というあの表情。
私たちの秘密ね。素敵だわ・・・というあの表情がいい。

笑福亭鶴瓶が、あまり彼の色を濃く出していないところが、八千草薫との関係に清潔感があってよかった。

全編で警察が鶴瓶扮する“伊野”という実はニセ医者を探して捜査して歩くため、美しい風景にだらだらとすることなく、何がどうなっているのという私たちの知りたがりを刺激する。

「本物の医者」とは、と大きな問いを投げかけている。
病人を身近に持つわが身として、病は気から、その気持ちを診てくれるお医者様が一番だと感じている今。
「その嘘は、罪ですか?」というコピーにぐっときた。

ひとつ、気になった台詞がある。
井川遥演じる八千草薫の娘、医師である娘がポツリと言う。
「あの人(伊野)だったら、母をどうやって死なせたのだろう?」
医療は飛躍的に進み、昨日より今日、そして明日と新しい治療法が見つけられている。
だが、誰にでも必ず覚悟しなければならない時が来る。その時にお医者様は何を言ってくれるのだろうか?

脇役陣も、いい。余貴美子扮する看護師の、すべての黒幕はもしかして貴女?という思いを観ているものに湧かせるのも心地いい。

派手ではないが、日本らしいいい映画だと思った。

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kizuna311

2011年03月20日 | 世の中で起こったこと

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