理由なんて、愛ひとつで十分だ
この映画のコピー。
もたいまさこ、加瀬亮に惹かれて借りてみたら『かもめ食堂』『めがね』の製作スタッフが三度目の挑戦をした作品だった。
全編を流れる空気は、前2作同様、なんとも言えないのーんびりというか、たたずまいということばがあうような、特別なものは何もない、ないが、なんとも言えずほっこりとする。
登場人物の“事情”は断片しか出てこない。その説明されない状況が“え”と疑問を持つ前に進んでいく。
全編をタイ・チェンマイで撮影されたという、タイってこういう国なのかなあ・・・。家の中と外と曖昧な空間で、そこには己の中にある“感情”も吸収してしまう静寂さがある。
「携帯が無いのが不思議」
「空ってこういうものだったんだ」
台詞があまり多くない。ないが、静寂の中からぽつんと言われる台詞が耳に残った。
びっくりするような“ごちそう”は出てこないが、なんか食べてみたあいとおもう“食事”が出てくる。市場での買い物の様子もいい。
柳の下の三匹目のドジョウという気もしないでもないが、観終わった後の気分は悪くないからよしとしよう!