仙台血液疾患センターの朝礼、院長宇塚善郎先生の話から。
治癒を目指して開発してきた治療法が、人間の進化の過程で獲得してきた、生まれながらに備わっていた自己防衛機能を破壊し、社会のシステムを破壊した先に、今の医療現場は存在している。マニュアルがなければ動けない人間が育て上げられてきてしまっているのに、要求は無際限である。今こそ臨床の知が必要だ。
噛み砕いた解説的話にすれば、
自己防衛機能の破壊は、抗生物質の乱用で、耐性菌の続出、再興感染症(結核など)、
環境破壊が自己防衛機能の混乱を生み出して、アレルギー人口の増加、新興感染症の続出(狂牛病、鳥インフルエンザなど)、過去のデータに基づいた治療法では、対応できない(治せない)疾患。
マニュアルでは治療仕切れない疾病枠の広がり。
臨床の知とは、
未知の世界を、見極める眼。
予知し、対応策を想定し、現出してきたときには、速やかに最適の方法を積み重ねていく決断力と、事態に即応した修正。
医療現場では、患者に即して、対抗可能な知識=臨床の知(マニュアルでは、およばないほど臨床の現場は多様性に富んでいます。個性あふれていることが大好きな人たちが、さらに個性あふれた状態=病気になって存在しているのが医療現場ですから、御理解いただけるかと思います)。
そして、行動。初めてのことだからと、手をこまねいていて放置など出来ない、許されない世界が医療現場です。”健康保健の適応”という経済的制裁の中で呻吟しながら、新しい現実に立ち向かうことを要求されています。
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