豊かさを求める 会長日誌

家づくりと言う事業を通じ、多くの人々の人間模様を綴ります。

鎹(かすがい)の役目…北斗市

2009-06-24 18:02:09 | ファース本部
「子はかすがい」と言いますが、夫婦のあいだにいざこざがあったとしても、子供が互いの気持ちを繋ぎ止めると言う意味なのでしょう。
写真は、鎹(かすがい)と言って木材と木材を繋いで固定する釘と同種の金物なのです。

この木材は、打ち込んだ「かすがい」がそれ相応の引き抜き強度を保つための硬さと柔らかさが必要です。硬過ぎると打ち込む前に曲がってしまい、柔らか過ぎると効きません。「豆腐にかすがい」「糠に釘」は、柔らかい豆腐や糠に鎹や釘は役立たないと言う意味です。

家づくりの構造にこの鎹(かすがい)は、とても大切な金物です。
木材の土台にホゾ孔を彫り、木材の柱に出っ張ったホゾを差し込んで建て込みをします。この土台と柱の表面横から、この鎹を打ち込んで柱が土台から抜けないように固定します。

この柱の頂点に作ったホゾは、柱の上に載った桁や梁に彫ったホゾ孔に差し込んであり、ここにも鎹を打ち込みます。また釜継ぎなどの平継ぎ手にも鎹を使用します。木材を繋ぐ金物には、釘孔のあけた羽子板型や平板型などがあり、釘やビスで止めるものもあります。

鎹は、左右相互に金槌の打ち込めば、あっと言う間に作業が完了してしまいますが、その鎹がしっかりとその効果を発揮するには、打ち込む木材の組成も関係してくるのです。木材の硬さ柔らかさの他にも、継ぎ手に段差があれば効果が半減される事になります。また鎹の太さで、その上から取り付ける建材などが密着しないなどの課題もあります。

「子は鎹」と言えども夫婦間の暴力や不貞、莫大な金銭的な事情を抱えたり、この鎹になるはずの「子」そものがネックとなって、夫婦間の溝を大きくする例も少なくありません。しかし、この鎹の形を注視すると、双方に両手を伸ばして相互に喰い込んで固定する役回りに共感します。

家族の中にも、会社のやクラブチームの中にも、バラバラになりがちな人の気持ちを、いつもの間にか自然に束ねる人の存在もあります。写真の鎹は、木材の剛性をグリップします。人の気持ちを束ねる人は、まさに人心をグリップするのでしょう。

札幌は27℃まで気温が上昇して今年一番の暑さだったようですが、北斗市は24℃で乾燥しており爽快な一日でした。
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