読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

背いて故郷

2014年12月19日 20時00分35秒 | ■読む
志水辰夫著、講談社文庫刊 最初から最後まで暗い。やや薄汚れた雪が、どんよりとした空から、荒涼とした原野に降り続いている。そんなイメージの作品です。風景描写、主人公の屈折した想い。何とも暗い。救いがありません。しかし、物語の骨格がしっかりしていて、読後感は悪くない、という不思議な作品です。 半ば過ぎまでは、終盤の展開へのネタを周到に並べ、最後に急激な展開を見せます。また、筋運びが自然です。というより . . . 本文を読む
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