
雑賀恵子著、ちくま新書刊
本書は、人が好んで摂取するタバコ、食物などを取り上げ、それらにまつわる様々なトピックを紹介し、効用が疑われ、場合によっては害悪にもなるにもかかわらず、人々が惹き付けられてしまう理由の一端を明らかにしようとしている。と思ったら、途中からかなり趣が変わります。特に砂糖から最後の肥満までの流れはは、意表を突きながら、「嗜好品の功罪」とはそもそも何かという視点から、社会システムと個人としての人間の生き方とのズレを示して見せます。いささか題名に偽りありとの感もありますが、その主張は、ごく真っ当で納得できるものでした。おそらくは、嗜好品を巡る人々の欲望や感情、経済事情や社会階層など、百科全書の網羅と思想史のごった煮になるのを避けたのだと思います。前半のご自身の生活に根差した書きぶりから、後半に入り大きく方向転換した末に、どの様な結論に至るのか。そのような視点で読み進めると面白いと思います。
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評価は3です。
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