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「不滅の弔辞」編集委員会、集英社刊
弔辞というものを生で聞いたことが何度かありますが、思い入れが強すぎたり、義務であるかのように型通りで、なかなか心に染みる弔辞には出会い難いのだと思います。しかし、タモリの赤塚不二夫さんへの弔辞は胸を打ちました。
弔辞というものは、故人と自分との関係、自分の立ち位置などを踏まえた上で、惜別の想いを込めるという大変に困難なものであると思います。本来、きわめて私的な故人への想いを、公の場で述べることは、不自然な行為であるのかもしれません。
そんな思いで本書を手に取りました。30人の著名人への弔辞です。企業人、芸能人、作家、芸術家など、様々な立場の故人に対する想いを、短く深く語った言葉が収録されています。やはり、弔辞の読み手の社会的立場が、弔辞のトーンを決定しています。それぞれに異なった表現で、自分なりの言葉で想いを吐露しています。
中でも秀逸であったのは、池波正太郎さんへの弔辞を読んだ山口瞳さんのものです。故人のありのままの姿を語りつつ、抑制の効いた故人への想いを、さらりと表現しています。あたかも、上等な吟醸酒のように、味わい深くに深みのある文章でした。また、競馬の名馬であるシンザンへの弔辞が良かった。社会的に功を成した公人が、真面目に馬への弔辞を読み上げている様子が目に浮かびました。
評価は4です。
弔辞というものを生で聞いたことが何度かありますが、思い入れが強すぎたり、義務であるかのように型通りで、なかなか心に染みる弔辞には出会い難いのだと思います。しかし、タモリの赤塚不二夫さんへの弔辞は胸を打ちました。
弔辞というものは、故人と自分との関係、自分の立ち位置などを踏まえた上で、惜別の想いを込めるという大変に困難なものであると思います。本来、きわめて私的な故人への想いを、公の場で述べることは、不自然な行為であるのかもしれません。
そんな思いで本書を手に取りました。30人の著名人への弔辞です。企業人、芸能人、作家、芸術家など、様々な立場の故人に対する想いを、短く深く語った言葉が収録されています。やはり、弔辞の読み手の社会的立場が、弔辞のトーンを決定しています。それぞれに異なった表現で、自分なりの言葉で想いを吐露しています。
中でも秀逸であったのは、池波正太郎さんへの弔辞を読んだ山口瞳さんのものです。故人のありのままの姿を語りつつ、抑制の効いた故人への想いを、さらりと表現しています。あたかも、上等な吟醸酒のように、味わい深くに深みのある文章でした。また、競馬の名馬であるシンザンへの弔辞が良かった。社会的に功を成した公人が、真面目に馬への弔辞を読み上げている様子が目に浮かびました。
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