読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

グーグルマップの社会学

2017年02月12日 17時51分03秒 | ■読む
松岡慧祐著、光文社新書刊
本書は、グーグルマップが現代人にどのような影響を与えているのか、今後どのような展開があるのか、また望ましい展開の方向を示しています。
地図が社会経済へ大きな影響を与えていることは理解していますが、今日では地球上のほとんどが地図化され、あまつさえ、グーグルマップのごときは、神の視野を手に入れたに等しい感じがします。(初めてグーグルアースを目にした時の感動と感覚はそんな感じでした。)しかし今ではすっかり当たり前になってしまい、さしたる感動もなく、訪問時のルート検索や、旅の下調べなどの道具として使用しています。
著者は「現代の都市や地域社会を表象するメディアとしての地図のあり方について社会学的な見地から調査・研究している」そうですが、地図の歩んできた歴史と意義から説き起こし、今日では、ある地点から別の地点への移動の利便性や目的に合致した対象物の抽出に特化した感のあるグーグルマップが、現代人の思考と志向に、不適切で大きな影響を与えているとしています。成る程と納得しました。おっしゃる通りです。一方で、機能の向上が目覚ましいグーグルマップには、今後好ましい機能が付加されるのではないかとの見解も示しています。改めて専門家の視点は凄いと感心した一冊でした。
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URL => http://www.narapu.ac.jp/prof43-k-matsuoka.html
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評価は4です。

※壁紙専用の別ブログを公開しています。
=> カメラまかせ 成り行きまかせ
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