麻生幾著,文藝春秋刊
麻生さんの作品で最初に読んだ「外事警察」が印象的でした。その後、「外事」関係の書籍を何冊か読みましたが、緊張感溢れる作風で好みです。
本作は、麻生さんの最新刊で、大分県杵築市の観月祭を舞台にした事件を中心に、不可思議な殺人事件を巡る内容です。
テーマが大きく、観月際の情緒や方言を生かした文章など、温かさと優しさがあり、そこに過去の暗闇がひたひたと迫ってくる展開です。
十分に堪能できましたが、謎解きの転換点に幾分無理があり、主要な登場人物が、知り得た情報を生かした行動を取らないという不自然さが散見されました。
一方で、主要な登場人物の造形が良く、好感が持てました。
大きく広げた風呂敷が、上手にたためない部分が若干ある感じです。
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○麻生幾 ○観月祭
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評価は4です。
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