読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

永井路子

2008年11月16日 20時36分53秒 | ■聴く
例によって、横浜カセット文庫を聞きました。永井路子さんの「うたかたの」というタイトルの連作6巻です。
1.寒椿 2.春の狐 3.樹影 4.角のない牛 5.かくれみの 6.薄闇の桜
実は、大分前に「1.寒椿」を聞いていたようなのですが、その時は、作者の意図がよく分からなかったように思います。連作物ながら、登場人物が異なっていますが、その背景が少し似ています。登場するのは、年齢が様々な女性の主人公とその相手になる男性です。他に登場する人数はごく限られています。
さて、永井さんは「炎環」で、1964年に直木賞を受賞していいますが、他にも菊池寛賞や吉川英治文学賞を受賞されています。1925年生まれなので、大正11年の生まれでしょうか。私の母よりも四つ年上です。下記のネットによれば『戦前から戦後の移り変わりを体験し、歪められた歴史を多くの資料と説得力のある文章で覆し、評価を得る。これまで考えられてきた歴史人物像、歴史事件等を見直し、男性の影に隠れ見落とされがちな女性にも焦点を当てた作品が多い。また、執筆の際、みずから歴史人物の系図を作成し、本に掲載しているものもあり、読みやすいと言えるだろう。評論では砕けた文章を用い、親しみやすいものにしている。』とあります。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/永井路子
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NHKの大河ドラマの原作として随分利用されているようで驚きました。本作品は、女性が男女の恋をその立場や年齢によって、様々に感じ生きて行く様を細やかに描いています。私などのような鈍感な感性では、へぇ~、という感じですが、人の感情が理屈ではなく、深い心の奥底にある何者かに動かされているのだ、ということを感じました。そして、人それぞれに思いを巡らして毎日を重ねて行くことが生きて行くことであると・・・。
評価は4です。

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