丹野清志著、玄光社刊
若い頃から写真の概念に関係する書籍をぽつぽつ読んでいました。でも、写真の本質は良く分からなかった。そして、フィルムの時代は撮影にお金が掛かりました。おまけに若い時分には、他にもお金の掛かることがあり、とても写真に気持ちが回りませんでした。それが、コンパクトデジタルカメラで気軽に撮影できるようになり、次いで、パソコンとの連携が深まってきて、少しずつのめり込んで行きました。撮影の対象は、散歩の際の草花や「おやっ」と思った変わったもの、空に浮かんだ美しい雲や湧き上がる入道雲などです。そうしてほとんど印刷しないで、壁紙で楽しむようになりました。また旅行の際には、名所旧跡の記念撮影が基本としても、非日常故の好奇心の増進と目新しさに誘われて、シャッターの数が大幅に増えました。こうした写真は見方によると取り留めの無いと感じる一方で、旅行時のその時の状況を一瞬で呼び起こします。写真の力を感じます。
さて、本書は、私のそうした経験とぴたりと重なる内容でした。著者はプロですから、技術と見識のレベルは全く違うのは当然としても、常日頃感じていたことが言葉として明確に目の前に示された思いがします。私がカメラを手に散歩していると、カメラ歴の長い友人は「何を撮るのか?」と不思議そうです。彼は、もう30年以上のキャリアがあり、機材、撮影テクニックなど、高度なレベルに達しており、私は良く様々な事柄を教えてもらいます。三脚での撮影などもその一つで、成る程なぁ、と何時も感心しますが、結局、作品作りの撮影は面倒でほとんどしません。やはり、気の向くままにぶらりふらりと撮影するのが合っています。
そうしたスタイルでは、確かにぶれや構図の悪さ故のミスショットが多いのですが、気が付けば、壁紙に出来る成功率が少しずつ上がっているように感じます。それは、所持機材の性能の向上や撮影手法の上達もあるでしょうが、このように撮りたいというイメージと撮影結果が近付いて来る結果が増えているということです。初めの頃は、イメージさえ浮かばず、次にイメージが湧くようになっても、その通りに撮れない段階なり、そして次第にイメージに近い画像になるという過程を経て来たようです。
結局、身の回りの世界をどの様に感じ、撮影対象と遭遇した際に生じる情動に忠実に対象を切り取るにはどの様すべきかを判断し実行する作業が繰り返されて、経験と知識が技術として身に付くのでしょう。
著者は、本書の中で、このような私の表現とは異なるものの、本質的には同じ主張をしていると思います。今まで出会った中で最も私の感覚に近く、力を得た書籍でした。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/丹野清志
http://www.hibinoshinbun.com/files/120/45nen.html
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評価は4です。
※壁紙専用の別ブログを始めました => カメラまかせ 成り行きまかせ
若い頃から写真の概念に関係する書籍をぽつぽつ読んでいました。でも、写真の本質は良く分からなかった。そして、フィルムの時代は撮影にお金が掛かりました。おまけに若い時分には、他にもお金の掛かることがあり、とても写真に気持ちが回りませんでした。それが、コンパクトデジタルカメラで気軽に撮影できるようになり、次いで、パソコンとの連携が深まってきて、少しずつのめり込んで行きました。撮影の対象は、散歩の際の草花や「おやっ」と思った変わったもの、空に浮かんだ美しい雲や湧き上がる入道雲などです。そうしてほとんど印刷しないで、壁紙で楽しむようになりました。また旅行の際には、名所旧跡の記念撮影が基本としても、非日常故の好奇心の増進と目新しさに誘われて、シャッターの数が大幅に増えました。こうした写真は見方によると取り留めの無いと感じる一方で、旅行時のその時の状況を一瞬で呼び起こします。写真の力を感じます。
さて、本書は、私のそうした経験とぴたりと重なる内容でした。著者はプロですから、技術と見識のレベルは全く違うのは当然としても、常日頃感じていたことが言葉として明確に目の前に示された思いがします。私がカメラを手に散歩していると、カメラ歴の長い友人は「何を撮るのか?」と不思議そうです。彼は、もう30年以上のキャリアがあり、機材、撮影テクニックなど、高度なレベルに達しており、私は良く様々な事柄を教えてもらいます。三脚での撮影などもその一つで、成る程なぁ、と何時も感心しますが、結局、作品作りの撮影は面倒でほとんどしません。やはり、気の向くままにぶらりふらりと撮影するのが合っています。
そうしたスタイルでは、確かにぶれや構図の悪さ故のミスショットが多いのですが、気が付けば、壁紙に出来る成功率が少しずつ上がっているように感じます。それは、所持機材の性能の向上や撮影手法の上達もあるでしょうが、このように撮りたいというイメージと撮影結果が近付いて来る結果が増えているということです。初めの頃は、イメージさえ浮かばず、次にイメージが湧くようになっても、その通りに撮れない段階なり、そして次第にイメージに近い画像になるという過程を経て来たようです。
結局、身の回りの世界をどの様に感じ、撮影対象と遭遇した際に生じる情動に忠実に対象を切り取るにはどの様すべきかを判断し実行する作業が繰り返されて、経験と知識が技術として身に付くのでしょう。
著者は、本書の中で、このような私の表現とは異なるものの、本質的には同じ主張をしていると思います。今まで出会った中で最も私の感覚に近く、力を得た書籍でした。
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