読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

容姿の時代

2010年08月14日 21時17分17秒 | ■読む
酒井順子著、幻冬舎刊
久々に金脈を発見した気がします。著者の酒井さんが、かの「負け犬」の作家であるとは露知らず手にした本が、本書でした。容姿にまつわる19編を着衣篇と脱衣篇に分けて、詳細に論じています。その内容は、日頃の観察に加え、自らの心の深層を見つめ、更には、世の人々の仮面の下に蠢く感情を見事にすくい上げながら、精密に腑分けして行く女医さんのようです。
ご自分の容姿をフツーであると表していますが、ネットで見る限り実に的確な自己分析であると思います。しかしながら、このフツーの顔の奥底でピカリッときらめく知性は、敵に回したら、これほど怖い存在は無いのではないか。(しかし、聡明な酒井さんは、粗暴な振る舞いはしないと思いますが)
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/酒井順子
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上記のURLでみると、専業のエッセイストで、著作は50冊以上。余りにも面白いので、ネットで20冊程度を早速頼みました。女性が容姿や容姿にまつわる事どもを語るに当たり、女性を「女子」と表現するなど、言葉の感覚も楽しく、サブカルチャーにも、或いはヤバイ世界にも造詣が深いご様子。兎に角収録された一つひとつが実に興味深く、へぇー、という感じでした。特に印象深かったのは「おたく」、「かわいい」、「下着」の3篇でした。お勧めの一冊です。
評価は5です。

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