読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

お江戸でござる

2010年09月23日 07時05分47秒 | ■読む
杉浦さんがどの様な人なのか、よく知りませんでした。NHKの番組「コメディーお江戸でござる」をたまに見ると、和服姿で解説をしていたので、どこぞの大学の先生ではないかと思っていたのに、下記のURLによれば、漫画家、江戸風俗研究家、エッセイスト、といくつもの顔を持っていたとのことです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/杉浦日向子
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本書は、そのNHKの番組でも披露した江戸に関する様々な知見を、NHK「コメディーお江戸でござる」スタッフが執筆し、杉浦さんが監修しているもののようです。
非常に多彩で実生活に即した内容で、読んできて飽きません。言葉の意味や由来、風俗などに加え、取り分け感じ入ったのは、江戸っ子の「粋」の感覚です。その反対の「野暮」と合わせて考えると、感覚的に納得が行くように感じました。
途中で「杉浦日向子の江戸こぼれ話」が収録されており、杉浦さんの見識が窺えましたが、私は、最後の以下の下りに感銘を受けました。
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江戸の人々は「人間一生、物見遊山と思っています。生まれてきたのは、この世をあちこち寄り道しながら見学するためだと考えているのです。「せいぜいあちこち見て、見聞を広めて友達を増やし、死んでいければいい」と考えています。
ものに価値を置くのではなく、江戸の人々は、生きている時間を買います。芝居を観に行く、相撲を応援しに行く、旅に行く-と、後にものとして残らないことにお金を使うのが粋でした。・・・・
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いかがでしょうか。本当の豊かさについて様々に考えさせられた一冊でした。
評価は4です。

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