読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

エビと日本人

2014年10月31日 20時14分52秒 | ■読む
村井吉敬著、岩波新書刊
本書は、エビを大量に消費する日本が、東南アジアなどの産地にどの様な影響を与えているのか、という問題意識を基に調査した結果をまとめたものです。多くの参加者を得て、エビ研究会が、エビに関する事共を調べた成果を整理し、以下の章立てで構成されています。
 プロローグ なぜエビか?
 1 エビを獲る人びと -トロール漁の現場-
 2 エビという生き物 -生態・種類・獲られ方-
 3 エビを育てる人びと -洋食をインドネシア・台湾に見る-
 4 エビを加工する人びと -調味料づくり・皮剥き・箱詰め-
 5 エビを売る人、食べる人 -この四半世紀に何が起きたか?-
 エピローグ
本書は資本主義が、その論理によって、自然を収奪・破壊し、生産者と消費者を分断している。そして様々な不公正な状況が生まれることを主張しています。また、1kgのエビを獲るのに10kgの石油が消費されることを指摘しています。漁の為に船を動かす、海上輸送、冷凍保存のためなどです。
考えてみれば、人間は何等自然に貢献していません。存在そのものが自然の収奪につながっています。そのことからすると、エビに限らず、人間が生きている上で必要な品々、あるいはエネルギーのほとんどは、地球上のあらゆる資源を探し出して収奪し、自然を破壊している行為なのではないでしょうか。
本書には、そうした問題意識が感じられません。あるういは、限定的にエビを例にして示したのかも知れませんが。ともかくも、本書は、人の行いの実態が(バイアスが掛かっているように感じるものの)描かれています。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/村井吉敬
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評価は4です。

※壁紙専用の別ブログを始めました => カメラまかせ 成り行きまかせ

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