2008年公開のアメリカのSF映画です。ある時、空間を瞬時に移動できる(ジャンプできる)能力に目覚めた主人公は、密かにその能力を磨き一人で生きて来ましたが、捨て去った故郷に戻り、幼なじみで恋心を抱いていた娘に再会します。自分の秘密を打ち明けないまま付き合い始めますが・・・。
典型的なSF映画で、非常に上手く映像化しており楽しめる作品に仕上がっています。原作のアイディアも良いのだと思います。こんな能 . . . 本文を読む
池井戸潤著、ダイヤモンド社刊
シリーズ四作目です。戦う相手が巨大になり、筋書きがやや大まかな感じがします。ディテールが少し省かれて、いわば水戸黄門的になっているように感じます。池井戸さんの作品の登場人物は、類型的で在りながら、しっかり描かれており、仕事人として真っ当な在り方を探求しているため、憧れと共感を持って読めます。
政治的な動きなど、現実を下敷きにしており、しかもありがちな状況を作り上げてい . . . 本文を読む
1996年公開のアメリカ映画です。クリーンエネルギーの研究プロジェクト施設が何者かに襲われ、開発リーダーの博士が殺されてしまいます。そのチームのエンジニアである主人公が濡れ衣を着せられ逃亡し・・・。
典型的なアクション映画ですが、脚本、演出共に良い。大分前の映画ですが、今でも古びていない作品です。
-------------------------------------------------- . . . 本文を読む
山際淳司著、角川文庫刊
購入して永らくお蔵入りしていた、世に名高い名著を読みました。若い時分に沢木耕太郎さんの著作を夢中で読みました。本書との違いにかなりショックを受けました。目指すところも作風も異なりますが、両方を同時に読むと良いのでは無いかと思います。沢木さんの作品は、著者の視点から対象を再構成し、かなり著者の内面寄りであると感じます。山際さんの作品は、関係者からの綿密な取材を積み重ね、その瞬 . . . 本文を読む
2003年製作のアメリカ映画です。ニューヨークのある夜。警察の留置場の中に汚らしい老人がおり、鉄格子の窓から空を見上げ、何やらにやついています。その頃、ニューヨークの街中では、喧嘩や立ち小便、買春など、様々な理由で警察のお世話になる人々がおり、この留置場に三々五々ぶち込まれます。それぞれの事情、人種、信仰が異なる男達。やがて、留置場内で、仲間同士が会話し、あるいは他のメンバーと話したりして、それぞ . . . 本文を読む
日本カメラ社刊
フィルム時代の頃は、父のお下がりのキャノンのカメラでたまに写真を撮る程度で、結婚してからは、自動化の進んだカメラでスナップ写真を撮っていましたが、どういう訳か、たまに写真論や手法の本を手に取た記憶があります。当時は順光の撮影が勧められていたと記憶しています。しかし、今日では、食べ物や花などで逆光の効用が力説されています。そうした知識を元に試してみると、確かに解説の通り、見栄えする写 . . . 本文を読む
アメリカのSF映画です。近未来の南アメリカで、人工知能を備えた人型ロボットが警察官として活躍しています。そのロボットを開発した天才エンジニアが、会社に無断で、更に高度な人工知能のソフトを開発し、廃棄処分となる予定のロボットにインストールしますが・・・。
自意識を持ったロボットの描き方が秀逸で、最初は全くの悪役だったギャングが良い人になったのにはちょっと驚きました。また、天才技術者役のデーヴ・パテー . . . 本文を読む
宇田賢吉著、中公新書刊
著者の経歴を見ると、1940年生まれで、国鉄に運転手として勤務され、JRへ移行後も西日本旅客鉄道に在籍し、2000年に定年退職されたようです。下記のURLを少しだけ拝見しました。(後で良く見たいと思います。)トップページを見ると、著書の他に、近況のブログ、写真展、旅行記など、電車や汽車を起点として、多彩な世界をお持ちのようです。
本書は、電車の構造や仕組みと詳細な運用法を紹 . . . 本文を読む
現在公開中のシリーズ五作目の作品です。毎回練り上げた脚本とトム・クルーズの見事なアクション、共演する俳優の演技の素晴らしさが楽しみです。今回も期待に違わぬ内容でした。共演者では、私の好きなイーサン・ペッグが何とも魅力的なキャラを演じ、ヒロイン役のレベッカ・ファーガソンは、地味な容貌ですが、知的で魅力的なキャラクターを作り上げています。その他の共演者の演技も素晴らしく、敵役を演じたショーン・ハリスと . . . 本文を読む
ある事情からお金恐怖症になってしまった主人公が、お金を使わない生活を目指して、かむろば村に移住します。世間知らずでほとんど無能な主人公は、その村の村長や様々な人々と触れ合い、回復していきます。
主人公役の松田龍平さんをはじめとした芸達者な役者を配して、作品に厚みを増しています。神様と村人に呼ばれる老人役の西田敏行さんの語る言葉が重いながら、すんなりと納得できるのは、西田さんの力だと思います。本作で . . . 本文を読む
大沢在昌著、毎日新聞社刊
2013年発行の著作です。私が読んだ大沢さんの著作の中では、少し毛色の違う感じです。軍艦島をモデルとした島を舞台として、戦後の世相を色濃く織り交ぜた作品でう。細部に拘った作品で登場人物の個性や言動が細かく描かれており、島の独特の状況がリアルです。2014年に48回吉川英治文学賞を受賞しているのもうなずけます。主人公の若い警察官の心情と信念故の行動や悩み、不安が丁寧に描写さ . . . 本文を読む
異端者である主人公が、窮地を脱して逃亡した第1作の続編です。SFとして納得の行くストーリーです。CGや人物描写もSFらしく類型的ですが、主人公役のシャイリーン・ウッドリーが素晴らしい演技で、本作の魅力を増しています。ハンガーゲームのジェニファー・ローレンスと同様、今後が楽しみな女優さんです。
----------------------------------------------------- . . . 本文を読む
石井正彦著、文春新書刊
少年時代からカメラにのめり込み、報道現場のカメラマンとして活躍された著者は、本書を平成13年に出版しています。今から14年前であるため、フィルムカメラでの撮影について述べています。ご自分の生い立ち、カメラとレンズの選択の考え方、上達の秘訣、良い写真の定義、カメラとレンズのメンテナンスなど、様々なことについてご自分の考えを述べていいます。報道の現場という修羅場とプライベートで . . . 本文を読む
非常に複雑な原作をどの様に脚本化するのかが見所です。ツアー参加者とルイ14世周辺の人々を簡略化し、主人公の北白川右京の役回りをかなり変えて、2時間程度の映画に仕上げた努力に敬服しました。この映画に関しては原作を読んでから見た方が良いと思います。
芸達者な役者を配し、肝腎の子役も上手い。日本人がフランス人を演じているのも、テルマエロマエで慣れたせいか、大きな違和感はありません。原作と合わせての鑑賞を . . . 本文を読む
浅田次郎著、集英社文庫刊
最近映画化された作品で、「王妃の館」という極めて高級なパリの宿を舞台としたユーモア小説です。ある事情から、このホテルの部屋を二重貸しするというとんでもない企てが実行され、てんやわんやの騒ぎになります。二重売りの対象となったツアー参加者とそれぞれのツアーの添乗員のドタバタ劇、更に主人公の小説家が描くルイ14世とその愛妾と二人の間の子を巡る物語が平行して進行します。ツアー参加 . . . 本文を読む