水仙の香やこぼれても雪の上
加賀千代女
知人がマクロ写真の練習に水仙をお使いになって、香りにむせて、、、って書かれていたけど、私もこの写真を撮るのに水仙に顔をつけていたら、くらくらするほどの香りに「悩殺」されておりました。多摩川の堤に咲いていた水仙です。
加賀では水仙のころはまだ雪の中なのでしょうか、春告げ花の意味があるのでしょうか、北陸での冬の水仙を見たことがないので分かりません。
でも、あの凛とした立ち姿で花をつけている水仙、その香りが落ちてもまっしろの雪の上って非常に清い感じがしますね。
中国で水の仙人に例えられた花ですが、それだけの気品を持った花ですね。
水仙はあまりに身近にありますし、ニホンズイセンなんて種類もあるので日本原産かとも思いがちですけど、地中海沿岸が原産なのだそうです。早い時期に中国を経由して日本に入ってきた、外来種なのですね。
ギリシャ神話にもナルシス(ナルキッソス)が水に映った自分の顔に焦がれて死んでしまう(って呪いをかけられるのですけど)
彼の場合は、自分が美しいと周りに目が行かなくなってしまったために起こった悲劇。
私もある部分うぬぼれは強いですけど、それは周りから見てもらえないために、自分で自分をほめるしかないための悲劇。
その元になる部分がずいぶんと違うのですね~
節分を過ぎました。
花を活ける人は節分を過ぎた水仙はけっこう嫌がる人が多いですね。
花が大きくなるので活け方もちょっと違うし、活けにくいのだそうです。
水仙は葉や茎、袴をばらして、小さく組みなおして活けます。
丈が低く、茎が小さいときには水盤でもこじんまりして活けられるのでしょうけど、大きく、大柄になるとバランスが取り難くなるのでしょうね。
温室育ちと違って野に自生する花が本来の姿なのでしょうね。