其のにほひ 桃より白し水仙花
松尾芭蕉
以前、 加賀千代女の
水仙の香やこぼれても雪の上
をご紹介しましたよね。
水仙や、紫露草のように茎が長くって葉っぱもすっと伸びている花って好きなのですね。そのなかでも、水仙は一番きりっとした、凛とした姿で素晴らしいと思います。
原産(?)の中国(少なくとも平安時代ころに中国から渡来したって聞いていますので)でも水の仙人と呼ばれているのも、よく分かります。
早咲きのものは、寒い中で花をつけますので、よけいにそう感じるのかもしれません。上の加賀千代女の句も水仙と雪ですけど、芭蕉の句にも
初雪や 水仙の葉のたはむまで
というのもあります。寒中に凛として咲き誇る水仙に詩人たちの目が行くのはよく分かります。
ところで、今年になって多摩川の水仙をご紹介したことがあったと思います。多分3月になってからのことで、そんな前ではないのですけど、そのなかに水仙の匂いに無頓着だったって、恥をさらしていました。
水仙は好き、でも今まで実家は別として、水仙を庭に植えたことはありませんでした。どうもあれを活けるのが苦手。もちろん活花はやったことがありませんので、あの袴をはずして、また着けてあげるなんて、下世話なことなんぞまったく知らないのです。距離を置いて見ているだけなので、匂いを感じなかったのですね。
水仙の匂いは十分堪能しました。
自分の無知さへの反省で、今日の句を引っ張り出しました。
桃は実家に原種に近いような桃がありました。緑の桃で、肉ががじがじ、硬いのですけど、その匂いや味のまろやかさ、今でも忘れられません。
桃は花の時期だけでなく、木(葉?)全体が匂うような気がしていました。だって、桃の葉っぱをお風呂に入れると桃の匂いがしますよね。
さっぱりとした、すっきり感のある匂い、これも好きな匂いの一つでしたけど、それよりも白い匂いってはて何を言っているのでしょうか?
なんだか、無知を反省するっていいながら、さらに恥の上塗りをした日記になりました。
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