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前稿で「パンドラの箱を開ける時訴訟」での上原さんの法廷陳述を一部紹介したところ、全文を紹介して欲しいとのメールを複数いただいた。
メールには概ね次のような趣旨のことが書かれていた。
「家族を殺して援護金を得たことを他人の責任に押し付ける」という集団自決の真相に戦慄した。
沖縄人として恥ずかしいと思った。
同時にそれを隠蔽しようとした地元紙、地元学者たちに怒りを感じた。
これらの偽善者たちのウソを白日の下に晒すため徒手空拳で立ち上がった上原さんを支援したい。
以下は上原正稔さんの昨日の法廷陳述の全文です。
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心ある友人の皆様へ
梅澤裕様、赤松嘉次様そしてご家族の皆様、長いことご迷惑をかけてまいりました。これまで沖縄の血を引く者として皆様のご心痛に何の力にもなれず、心からお詫びいたします。他人(ひと)に同情することは容易なことですが、他人(ひと)の力になれることは難しいことです。しかし、今、ぼくは琉球新報を訴えることによって梅澤様そして赤松様の長年の汚名を完全に晴らす機会を得て梅澤様、赤松様の力になれることを心から喜んでおります。
ご両家の方々はお二人のことを誰よりもよくご存知のことでしょう。梅澤裕様そして赤松嘉次様が立派な紳士であることは火を見るより明らかですが、なぜ、お二人が“極悪非道の軍人”のそしりを受けることになったのか、裁判の中で一点の曇りもなく明らかにする所存です。皆様もよくご存知のように、その裏には戦後の援護法というものが深く関わっております。沖縄は戦後、軍人の援護法を民間人にも拡大適用された唯一の県であり、民間人の中には“集団自殺”をした者も含まれております。そして家族を殺して生き残った者たちが援護金を受けるという実におぞましい悲劇を招いているのです。そのために“赤松隊長と梅澤隊長が集団自決を命令した”と嘘の報告をしなければならなかったのです。赤松様、梅澤様はそれをよく承知しながらも、慶良間の住民に迷惑をかけまいと、そのことだけは口に出せなかったのです。赤松様と梅澤様が“極悪人”のレッテルを貼られていかに“耐え難きを耐え、忍び難きを忍ん”でこられたか、想像を絶するものがあります。
その責任は真実を知る慶良間の人々だけでなく、沖縄県庁、政府の厚生省にあります。特に、真実を報道すべき新聞社や反戦平和を唱ずる偽善者の学者先生らの責任は大です。ぼくはひとりの沖縄人として、裁判の場でこのことを明らかにするつもりです。ぼくはひとりの小さな人間ですが、自分の歴史的に重大な役割は十分に認識しております。このことによって梅澤様、赤松様の汚名が完全に晴れ、ご家族の胸のつかえがなくなる時、ご両人とご両人のご家族の真の友人になれるものと考えております。
梅澤裕様の奥様、ご主人をこれからも大事にして下さい。ご子息様もお父様をご自慢下さい。赤松秀一様、加代子様、お兄様の赤松嘉次様を誇りに思って下さい。ここにおられる皆様も梅澤家、赤松家の人々をしっかり支え続けて下さい。ありがとうございました。
二〇一一年七月二日
沖縄という不条理に満ちた島から敬意をこめて
上原正稔
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明日の七夕は上原さんを支援する「表現の自由を守る会」が協賛する「ヴァイオリン・コンサート」が催されます。
コンサートにご来場下さることにより、上原さんの訴訟活動をご支援下さいますようお願い申し上げます。
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