東京ほどではないにしろ、ここ名古屋も急激に気温が下がり、季節が一気に晩夏から晩秋になったような気がする。このところ季節の移り変わりのグラデーションが無くなりつつあるのを感じる。もっともこのまま冷え込むことはないようだけれど…。
このところいくつもの日本没落系の記事を眺めすぎたせいで、完全に日本は終わったと脳が認識してしまっている。円安に物価高、様々な要因が重なったことで、より日本の貧しさを感じるようになった。歴史を見ても、やっぱり強い通貨を持つ国が繁栄するんだなと。唯一アメリカは一時的に低迷したけれど、今また復活してきている。
1950年代後半から60年代、強いドルを持ってアメリカ人は世界中を闊歩していた。映画「ローマの休日」はアメリカ人新聞記者がローマである国の王女と出会い恋をするストーリーだった。「慕情」も有名な映画で、戦後の香港の混乱で夫を亡くしたヨーロッパ人と中国人の血を引く女性医師とアメリカ人特派員の恋の物語だ。いずれもローマと香港を舞台に、アメリカ人を旅情に誘った映画だったらしい。このころからパンナムに乗り世界中にアメリカ人が旅行し始める。
ところが、その後アメリカはベトナム戦争で敗退。それをきっかけに景気が低迷し財政赤字と貿易赤字が増大。そこに日本が繊維に自動車、そして鉄鋼と輸出攻勢をしかける。このころから貿易摩擦でジャパンバッシングが始まった。そこでアメリカはドルを安くしてアメリカ製品の輸出をもっと増やせと、ニューヨークのプラザホテルに各国の首脳を集め直談判する。それまで1ドル360円だったのが、あれよあれよという間に320円、250円、140円と下がり、終いには80円前後まで。結果、ドル安でアメリカ人は、すっかり海外旅行をしなくなくなった、というかできなくなった。で、国内線を持たない世界のパンナムは倒産。ちょうど私が旅をするようになった80年代後半から90年代以降、どうりで外国で出会う西洋人の多くはヨーロッパ人でアメリカ人はあまり見かけなかったわけだ。
そしてアメリカに代わり日本の時代。パリの街角はアメリカ人に代わり日本人だらけになった。そしてバブル崩壊。日本企業は人件費が高くなり過ぎてコストもかさみ、同時に円高で日本製品は競争力低下。企業は人件費の安い国を求めてコストが高い日本から脱出する。そうこうしているうちに中国や韓国など周辺国が技術力をアップし、安価で良い製品を作るようになってきた。気がつけばパリの街角は中国人だらけ…。
かつて米ドルは1ドル360円から80円台へ。そして今は逆の流れ1ドル80円から110円へ、そして一気に150円台へ。再びアメリカ人が世界へ向かう。
日本は2度とあの時代へは戻れず、このまま平凡な国に向かっていく。
そして、つつましやかに生きるしかない。
このところいくつもの日本没落系の記事を眺めすぎたせいで、完全に日本は終わったと脳が認識してしまっている。円安に物価高、様々な要因が重なったことで、より日本の貧しさを感じるようになった。歴史を見ても、やっぱり強い通貨を持つ国が繁栄するんだなと。唯一アメリカは一時的に低迷したけれど、今また復活してきている。
1950年代後半から60年代、強いドルを持ってアメリカ人は世界中を闊歩していた。映画「ローマの休日」はアメリカ人新聞記者がローマである国の王女と出会い恋をするストーリーだった。「慕情」も有名な映画で、戦後の香港の混乱で夫を亡くしたヨーロッパ人と中国人の血を引く女性医師とアメリカ人特派員の恋の物語だ。いずれもローマと香港を舞台に、アメリカ人を旅情に誘った映画だったらしい。このころからパンナムに乗り世界中にアメリカ人が旅行し始める。
ところが、その後アメリカはベトナム戦争で敗退。それをきっかけに景気が低迷し財政赤字と貿易赤字が増大。そこに日本が繊維に自動車、そして鉄鋼と輸出攻勢をしかける。このころから貿易摩擦でジャパンバッシングが始まった。そこでアメリカはドルを安くしてアメリカ製品の輸出をもっと増やせと、ニューヨークのプラザホテルに各国の首脳を集め直談判する。それまで1ドル360円だったのが、あれよあれよという間に320円、250円、140円と下がり、終いには80円前後まで。結果、ドル安でアメリカ人は、すっかり海外旅行をしなくなくなった、というかできなくなった。で、国内線を持たない世界のパンナムは倒産。ちょうど私が旅をするようになった80年代後半から90年代以降、どうりで外国で出会う西洋人の多くはヨーロッパ人でアメリカ人はあまり見かけなかったわけだ。
そしてアメリカに代わり日本の時代。パリの街角はアメリカ人に代わり日本人だらけになった。そしてバブル崩壊。日本企業は人件費が高くなり過ぎてコストもかさみ、同時に円高で日本製品は競争力低下。企業は人件費の安い国を求めてコストが高い日本から脱出する。そうこうしているうちに中国や韓国など周辺国が技術力をアップし、安価で良い製品を作るようになってきた。気がつけばパリの街角は中国人だらけ…。
かつて米ドルは1ドル360円から80円台へ。そして今は逆の流れ1ドル80円から110円へ、そして一気に150円台へ。再びアメリカ人が世界へ向かう。
日本は2度とあの時代へは戻れず、このまま平凡な国に向かっていく。
そして、つつましやかに生きるしかない。