確か4月の終わりころだったと思うが、、うちがやっている店に時々やって来る
「万引きおばちゃん」のことを書いた。
私が知る限り、うちの店に来てこれまでに2度、帽子と衣料品を盗んで行ったお
ばちゃんの話である。そのおばちゃんが、昨日、再び、店にやってきた。
おばちゃんは、入ってきていきなり帽子をひとつ手に取って、「これ買うわ…」
と、まず、先に会計を済ませた。
しかし、その後、一向に帰ろうとせず、店内の衣類を物色しはじめ、いくつかの
衣類を試着していた。店内には、私とおばちゃんの2人だけである。さすがに三た
びやられては、自分のアホをさらすようなものである、何か別のことをやっている
振りをしながらも、私の視線は、しっかりこのおばちゃんをロックオンしていた。
しばらくして、おばちゃんは突然、私の目の前のハンガーから一枚のブラウスを外
し、バッグを下げている左腕に掛けた。そして、私の視線から遠ざかるように、移
動しながらすばやくそのブラウスをバッグの中に押し込み、右手でファスナーを閉
めたのである。この間、およそ5秒くらいだろうか。
実際の万引きの瞬間を、目の前で見たのは、テレビの隠しカメラ映像以外では初めて
だった。
予測はしていたものの、実際に目の前で行われたこともあって気が動転していたの
かもしれない。予定では、というか普通は、これで店外へ出たところを捕まえるわ
けである。しかし、私は、ファスナーを閉めた直後に、「今、服、入れたでしょ!」
と言ってしまったのである。
うっかり八兵衛もいいところだ。これでは、万引きが成立しないではないか…?
しかし、おばちゃんは「えっ、あっ、買うわよ、買うから…」としどろもどろに言い
始め、すぐに盗んだことを謝罪しはじめた。おそらく常習犯に違いないと思っていた
ので、もっと堂々と、何か言い訳をするのではないかと思っていたので、少々、拍子
抜けだった。
「盗んで見つかって、買って済むなら警察いらないでしょ」「初めてじゃないのは、
わかってるんだよ。この間も、衣類と帽子を取ったでしょ、良い年して恥ずかしく
ないんですか?警察に連絡しますから…」と、怒りをぶつけると、おばちゃんは声
を出して泣き始めた。
「すみません、ほんとうにすみません。許して下さい。」そして土下座までしようと
したところで、顔見知りのお客さんが入ってきたので事情を話すと、このお客さんま
で説教をし始めた。
15分くらい過ぎただろうか。なんだか気の毒に思えてきたのと、警察に引き渡してか
らの後処理の面倒を考え、結局、おばちゃんが、これまで盗んだ分のお金を払うとい
うので、それをいただくことで、警察には連絡せずに開放した。「ブラウス分も払い
ます」と言ったのだが、それは断り、その変わり2度とうちの店には来ないという、念
書を書いてもらった。しかし、身分証明書などは持ってないと言うので、おそらく、
そこに書いてもらった、氏名、住所、電話番号は嘘なのではないかと思っている。
甘かったかもしれないな、と後になって思った。
おばちゃんは、もしかすると、またどこかで万引きするに違いない。おそらく病気の
ようなものなのかもしれない。
その後、何だか気分晴れなかったのだが、夕方、友人夫婦がやってきて、「ご飯に行こ
う…」と言うので、久しぶりに遅くまで飲んでしまったのがよかった。
帰る頃にはすっかり忘れていた。
「万引きおばちゃん」のことを書いた。
私が知る限り、うちの店に来てこれまでに2度、帽子と衣料品を盗んで行ったお
ばちゃんの話である。そのおばちゃんが、昨日、再び、店にやってきた。
おばちゃんは、入ってきていきなり帽子をひとつ手に取って、「これ買うわ…」
と、まず、先に会計を済ませた。
しかし、その後、一向に帰ろうとせず、店内の衣類を物色しはじめ、いくつかの
衣類を試着していた。店内には、私とおばちゃんの2人だけである。さすがに三た
びやられては、自分のアホをさらすようなものである、何か別のことをやっている
振りをしながらも、私の視線は、しっかりこのおばちゃんをロックオンしていた。
しばらくして、おばちゃんは突然、私の目の前のハンガーから一枚のブラウスを外
し、バッグを下げている左腕に掛けた。そして、私の視線から遠ざかるように、移
動しながらすばやくそのブラウスをバッグの中に押し込み、右手でファスナーを閉
めたのである。この間、およそ5秒くらいだろうか。
実際の万引きの瞬間を、目の前で見たのは、テレビの隠しカメラ映像以外では初めて
だった。
予測はしていたものの、実際に目の前で行われたこともあって気が動転していたの
かもしれない。予定では、というか普通は、これで店外へ出たところを捕まえるわ
けである。しかし、私は、ファスナーを閉めた直後に、「今、服、入れたでしょ!」
と言ってしまったのである。
うっかり八兵衛もいいところだ。これでは、万引きが成立しないではないか…?
しかし、おばちゃんは「えっ、あっ、買うわよ、買うから…」としどろもどろに言い
始め、すぐに盗んだことを謝罪しはじめた。おそらく常習犯に違いないと思っていた
ので、もっと堂々と、何か言い訳をするのではないかと思っていたので、少々、拍子
抜けだった。
「盗んで見つかって、買って済むなら警察いらないでしょ」「初めてじゃないのは、
わかってるんだよ。この間も、衣類と帽子を取ったでしょ、良い年して恥ずかしく
ないんですか?警察に連絡しますから…」と、怒りをぶつけると、おばちゃんは声
を出して泣き始めた。
「すみません、ほんとうにすみません。許して下さい。」そして土下座までしようと
したところで、顔見知りのお客さんが入ってきたので事情を話すと、このお客さんま
で説教をし始めた。
15分くらい過ぎただろうか。なんだか気の毒に思えてきたのと、警察に引き渡してか
らの後処理の面倒を考え、結局、おばちゃんが、これまで盗んだ分のお金を払うとい
うので、それをいただくことで、警察には連絡せずに開放した。「ブラウス分も払い
ます」と言ったのだが、それは断り、その変わり2度とうちの店には来ないという、念
書を書いてもらった。しかし、身分証明書などは持ってないと言うので、おそらく、
そこに書いてもらった、氏名、住所、電話番号は嘘なのではないかと思っている。
甘かったかもしれないな、と後になって思った。
おばちゃんは、もしかすると、またどこかで万引きするに違いない。おそらく病気の
ようなものなのかもしれない。
その後、何だか気分晴れなかったのだが、夕方、友人夫婦がやってきて、「ご飯に行こ
う…」と言うので、久しぶりに遅くまで飲んでしまったのがよかった。
帰る頃にはすっかり忘れていた。
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