ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

没落記事

2022-10-06 20:48:11 | 時事(国内)
東京ほどではないにしろ、ここ名古屋も急激に気温が下がり、季節が一気に晩夏から晩秋になったような気がする。このところ季節の移り変わりのグラデーションが無くなりつつあるのを感じる。もっともこのまま冷え込むことはないようだけれど…。

このところいくつもの日本没落系の記事を眺めすぎたせいで、完全に日本は終わったと脳が認識してしまっている。円安に物価高、様々な要因が重なったことで、より日本の貧しさを感じるようになった。歴史を見ても、やっぱり強い通貨を持つ国が繁栄するんだなと。唯一アメリカは一時的に低迷したけれど、今また復活してきている。

1950年代後半から60年代、強いドルを持ってアメリカ人は世界中を闊歩していた。映画「ローマの休日」はアメリカ人新聞記者がローマである国の王女と出会い恋をするストーリーだった。「慕情」も有名な映画で、戦後の香港の混乱で夫を亡くしたヨーロッパ人と中国人の血を引く女性医師とアメリカ人特派員の恋の物語だ。いずれもローマと香港を舞台に、アメリカ人を旅情に誘った映画だったらしい。このころからパンナムに乗り世界中にアメリカ人が旅行し始める。

ところが、その後アメリカはベトナム戦争で敗退。それをきっかけに景気が低迷し財政赤字と貿易赤字が増大。そこに日本が繊維に自動車、そして鉄鋼と輸出攻勢をしかける。このころから貿易摩擦でジャパンバッシングが始まった。そこでアメリカはドルを安くしてアメリカ製品の輸出をもっと増やせと、ニューヨークのプラザホテルに各国の首脳を集め直談判する。それまで1ドル360円だったのが、あれよあれよという間に320円、250円、140円と下がり、終いには80円前後まで。結果、ドル安でアメリカ人は、すっかり海外旅行をしなくなくなった、というかできなくなった。で、国内線を持たない世界のパンナムは倒産。ちょうど私が旅をするようになった80年代後半から90年代以降、どうりで外国で出会う西洋人の多くはヨーロッパ人でアメリカ人はあまり見かけなかったわけだ。

そしてアメリカに代わり日本の時代。パリの街角はアメリカ人に代わり日本人だらけになった。そしてバブル崩壊。日本企業は人件費が高くなり過ぎてコストもかさみ、同時に円高で日本製品は競争力低下。企業は人件費の安い国を求めてコストが高い日本から脱出する。そうこうしているうちに中国や韓国など周辺国が技術力をアップし、安価で良い製品を作るようになってきた。気がつけばパリの街角は中国人だらけ…。

かつて米ドルは1ドル360円から80円台へ。そして今は逆の流れ1ドル80円から110円へ、そして一気に150円台へ。再びアメリカ人が世界へ向かう。

日本は2度とあの時代へは戻れず、このまま平凡な国に向かっていく。

そして、つつましやかに生きるしかない。

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ルックイースト

2022-10-03 21:08:19 | 時事(国内)
朝から大阪出張へ。

名古屋発7時の近鉄特急は結構な混雑ぶり。人の往来が確実に増えているのを感じる。車内でネットニュースを見ていると、マレーシアの元首相であるマハティールさんの記事に目に留まった。

大まかに言えば、近年の日本に幻滅しているという内容だった。特に少子高齢化で人口減に直面していながら何も手を打たない日本に未来はないと言い切っている。終いには「私が日本人の若者ならさっさと日本を出ていくだろう…」と結んでいる。同じことをアメリカの著名な投資家であるジム・ロジャースも言っているが、こ奴は日本からの投資をほとんど引き上げ、韓国に鞍替えしたことでの印象操作っぽいところがあったので、いま一つ信用ならなかったが、マハティールさんはそうではない。30年前の現役当時は「ルックイースト」(日本を見習へ)ということで、経済で躍進する日本を慕ってくれていた親日家寄りの方だった。そんな方でも、今や完全に日本を見限るに至っている。

近年先進国の多くは人口減に対して積極的な移民政策で乗り切ろうとしている。けれどその中で日本だけが、頑なに純潔主義を守ろうと絵に描いた餅である、わずかな補助金による出生率アップで対応しようとしているようで、マハティールさんは、こんなことではなんともならないと断言している。日本の政治家は移民受け入れの議論すら敬遠しているらしいが、これはおそらく選挙で投票率の高い老人らが外国人の移民を嫌う傾向にあるからだと思われる。結局は移民政策で票が離れるのを防ぐためということである。

最近、日本没落などという記事を多く見かけるようになった。一部韓国系メディアなどが掲載する無理筋的なものもあるけれど、落ちぶれていく姿は誰の目にも明らかなので、これはもう認めざる得ないところなんだろうと思う。本来ダメならダメでどこかで手を打たないといけないはずなのに、日本の政党は選挙に勝ちたい、勝たねばという、党のつばぜり合いのせいで有効な手立てができないところに根深い問題があるのかもしれない。

円相場も、介入前の145円に戻ってしまった。また英国ポンドが米ドルとほぼ等価というのも驚きである。外国にいるイギリス人も為替を見るに度に落胆しているはずだ。しかもユーロも米ドルとほぼ同水準になっていて、アメリカ人は今、どこにいっても割安感を味わえるだろう。なんともうらやましい限りである。

10月に入り、今月半ばから後半にかけて外国人がどんどんやってくると思われる。かつて私たち日本人が物価の安いアジアでお得感を味わっていたように、今度は私たちがその受け手になるなんてちょっと寂しい気もするけれど、これも時代の変化ということで受け入れないといけないんだと思う。

日本の中にいると、あまり実感することはないけれど、日本を出ると落ちぶれ感が良くわかるものだ。

将来的に貧しくなった日本人に、アジアの人たちは変わらずに優しく接してくれるんだろうか?

その点がちょっと気になっている。


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登頂ならず

2022-10-02 19:27:27 | つぶやき
久しぶりに山登りに行って来た。

鈴鹿セブンのひとつ、藤原岳、1140m。けれど大失敗、登頂ならずで終わった。そもそも今日は午後4時までに娘の都合で名古屋に戻らなくてはならず、限られた時間の中で登らないといけなかった。これが大誤算。これまで鈴鹿セブンのうち、最も高い御在所岳と次に高い鎌ヶ岳に登っていて普通に登れたので、藤原岳もこれまで通り問題なく行けるだろうと思っていた。もっともこの辺りの低山は、標高はどこも同じようなもので、登りやすいかどうかは登山道の整備状況での違いしかない。

登り始めて3合目で妻が「ヤバい、足が重い…」と言い出しペースが落ちる。6合目辺りでは足が止まり、さらに遅れだし8合目で断念。ここから娘と2人で山頂を目指すも、8合目半ばから勾配が急にきつくなり、さらに道も悪くなり娘のペースが落ちだした。9合目を過ぎたところに山荘があり、ここで娘が断念。この時点ですでに予定より1時間半以上遅れている。ただ頂上まであと20分のところなので、小走りで行けば往復20分で帰って来れるかなと思い、わずかな可能性にかけて荷物を娘に預けて小走りで行ってみる。やってみると山道の小走りは5分と持たず、このまま往復してそこからの下山では午後4時に名古屋に戻るのは間に合わないと思い断念。頂上まであとわずか、9,5合目にしてちょっと残念過ぎるが、自らのずさんな計画ゆえ仕方ない。こんな低山登山でも予定通りいかないんだなとつくづく思い知らされる。その日の体調もあるし、限られた時間内で登るのは、一人ならまだしも難しいんだなと大反省。しかも無理に山道を小走りしたせいで、腿やふくらはぎがパンパンに。やっぱり無理はいけない。

バカなプーチンがウクライナの占領地をロシアに編入してしまった。これで戦争終結はさらに遠のいてしまった感がある。西側諸国からの自国領への攻撃には核も辞さないということで、これには編入した占領地も含むという。万が一にもないと思いたいが、21世紀に核のボタンを押した男として、後世に記憶されるのはこの男になるのかなと思ったり…。ほんとうに戦争が終わらないとエネルギーや小麦などの価格が安定しないし良いことは何もない。いつの時代にも、世界にはおかしな指導者が一人や二人は居るものだが、こ奴と近平さんと比べると、北の将軍さまの息子は、まだまだかわいく見えてくるから不思議だ。

楽太郎さんではなくて円楽さんか、そして猪木も逝ってしまった。
2人のやせ細った近影を見たのは少し前だったが、それは見る人にも心痛を与えてしまうほどで、あらためて老いというのは病との闘いなんだなと思った。若い時は健康が当たり前で、食を含めて体調を顧みることすらなかったけれど、50を過ぎてようやく健康のありがたさを考えるようになってきた。寿命の前に健康寿命がある。大病しなければ好きなことができるのは、気力を含めてあと20年くらいと思っていてちょうど良いのかもしれない。

やりたいことは、やれるうちに早めにやっておく。行きたいところには行っておく。

人生って意外に短いな…と最近思う。

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